初めまして。僕がトワイライトエクスプレスに乗車したのは、もう１０年程前の話です。
当時、両親が仕事で北海道にいて、僕は学生で京都に下宿してました。学生の時は西村京太郎（知ってますか？）の影響で九州方面の列車、（さくら、なは、はやぶさ、あかつき）には結構乗ってました。実家が北海道に転勤になってからは、「日本海」で当時は苫小牧まで帰省してました。最も、「日本海１号」は函館までなので、そっからは「北斗」に乗り換えですが。
トワイライトエクスプレスに乗ったきっかけは、卒業式です。既に、京都の下宿を引き上げ、苫小牧に一時居候？していた私でありました。卒業式には出るぞ！と決めておりましたので、「日本海４号」で京都へ。当然帰りの「日本海１号」の切符は既に手配しておりました。京都駅に到着し、「もう、就職したら京都から北海道にブルートレインで行くことも無いだろうな」とふと思いました。と思うと同時に、私の足は緑の窓口に向かっておりました。
駄目もとで、「トワイライトエクスプレスが空いてたら、切符交換して下さい」と係りの人に言うと、「個室が空いてますよ」との返答。附って沸いた様な出来事にかなり驚きましたが、迷うことなく「日本海１号」の切符と交換しました。
卒業式も無事に終え、仲間たちの別れも終わり、バイト先で預かってもらっていたギター（バンドをしていたのだ）を肩に、一人京都駅に向かいました。結構、昼間っから感傷的になっていた記憶があります。
そうこうしているうちに、トワイライトエクスプレスが、緑色？の車体を滑り込ませて来ました。さっきまでは感傷的であった僕ですが、それを見た瞬間、初めて乗車する期待感で胸が一杯になりました。
初めての個室であったので、かなりドキドキしました。カードロックであった事は記憶しています。部屋に入ると、車掌さんが検札に来て、お弁当の注文をされました。何か、恐縮してしまった。車掌さんにそんなことまでしてもらっていいのかと。部屋は、窓に沿って、向かい合う形で一人掛けのソファー２つがあって、階段を上がると２F？にはベッドらしきものがありましたが、僕は荷物置きにしました。
ソファーに座り、「日本海」号で見慣れた景色（といっても、「日本海」は出発が遅いので、車窓は暗い事が多かった）を見ながら、気がつくと、うたた寝してました。ふと、「とやま〜とやま〜」という駅のアナウンスで目を覚ましました。意味もなくギターを取り出し、「田舎やな〜」と思いながらホームに目をやりました。（驚いた事に、社会人になって、最初の勤務地が富山であった。）
糸魚川辺りで夕日が見れる、という事は知っていたが、残念ながら当日は曇りで見れなかった。それ以前に、窓が反対側で、日本海を見れなかったのだ！（後に勤務地の関係で、車でよく夕日を見に行く事となった）いつ弁当を食ったかは忘れたが、寝るのはもったいない、と思いあれこれ思い出に浸りながら、車窓を眺めていた。
青森駅では、「日本海」で帰省していた時は、確か当時８：１５着で、かつ停車時間が長かった為（確か１５分位）駅に降りて、朝食代わりに汁の黒いそばを食ってた。（結構イケてた）トワイライトエクスプレスは当然、到着時刻も違うからそばを食う事も無く（確かもう閉まっていた）、列車は青函トンネルへと走り出した。（少し寂しかった）
サロンカーにも興味があったので足を運んだ。時間的な事もあってか、あまり人はいなかったと記憶している。サロンカーの赤い照明が印象的でした。でも、長居はしませんでした。せっかく個室に乗ってるから、なるべく長く、個室にいたかったのです。（暗いかな〜？）
函館に着く頃には、夜が明けていました。いつもなら、ここで乗り換えですが、今回はそのまま。楽チン、とご機嫌に車窓を眺めてました。同時に、「もう北海道に来たのか」とやや残念な気持ちになりました。
（順不同）洞爺、長万部、登別、室蘭、と過ぎ、車窓に地球岬や石油会社のタンクが見えるとまもなく苫小牧。隣にはR３６号線が見えてます。「あ〜いよいよこの旅も終わりか」とまた感傷的になる僕とは関係なく、列車は苫小牧に到着。身を切る想い？で列車を降り、苫小牧駅に立ちました。
確か、降りたのは僕一人でした。ややもの惜しげに列車を見ていると、無常にも発車のベルが！一人見送る僕を尻目に、トワイライトエクスプレスは札幌に走り去ってしまいました。さよ〜なら〜。
最後まで読んで頂いた人に感謝します。旅、というよりは、僕の学生時代最後の思い出がトワイライトエクスプレスです。現在も時々その姿を見ることがあります。但し、車の中からですが。機会があれば、ぜひまたトワイライトエクスプレスを利用して旅をしたいです。今度は帰省ではなく旅行ですが。基本的には、列車の旅、特にブルートレインの旅は情緒があって好きです。最近は。車が主な交通手段ですが、またブルートレインの旅を楽しみたいです。それでは、お付き合いいただき有難うございました。お互い、楽しい旅をしましょう ！