かれこれ２年くらいずっとこのウェブサイトを見てきました。仕事柄アメリカの東海岸に住んでますが、もともと”鉄ちゃん”だったこともあり、乗りたかった列車が消えて行くのはとても寂しいですが、番外編としてアメリカのNew York/Boston - Chicagoを結ぶAmtrakの寝台特急、"Lake Shore Limited"のレポートをします。
私が乗ったのはNew Yorkからオハイオ州のClevelandまでで、往復利用しました。アメリカではあの”９／１１”以降寝台列車が復活して入る傾向にありますが、利用客が増えればそれにかかるコストがかさみ、かえって赤字になると言う全然採算が取れて無い悪循環のなかで運転されてます。”超特急”Acelaは新幹線なみの料金ですが、かかる時間はその2倍でたいしたことはありませんが、寝台特急は寝台料金に食堂車での食事（朝、昼、晩、運転時間内に限り、アルコール類は別料金）が含まれており、値段的には３回食事するとそれだけで寝台料金はペイされてしまうと言う、全く何処で儲けを出すのでしょうってな感じです。しかも寝台料金は部屋ごとに払うシステムなので、シェアすれば半額！今回の旅行もそのやり方で行きました。
食堂車はNew York編成に付いてきます。夕日を眺めながらの夕食はとてもよかったです。３コースメニューで、私はポークロースト、相棒はステーキのヒレでサラダとデザート付きです。寝台利用者は”タダ”での食事なのでお互い一番高い選択でとてもリッチな気分で、しかもお互いに食いしん坊なので、アッというまにたいらげてしまいました。味はまあまあ、でも食堂車での食事は何でも美味しくなりますね！結局誘惑には耐えられず、ワインを別料金で飲みましたが気分はサイコーでした。アメリカでの寝台特急には食堂車がたいがい付いてきます。カフェ・カーが別に連結されていて、軽食、飲み物にはとても便利です。ここのカフェ・カーの座席が喫煙所となり煙がもうもうとしてました。で、ついでに宴会所化してました。
寝台はStandard BedroomとDeluxeBedroomがあり、私達はStandard Bedroomでした。この個室はサンライズのシングル・ツインとそっくりの部屋作りで、どっちかがマネをしたかのようです。違うところは、トイレと洗面所が付くところですが、元々この個室は一人用を普通としており、上段は補助ベッド扱いなので用を済ませる時はルームメイトに外へ出て言ってもらう必要があります。小さい液晶テレビも付きますが、たいした事はありません。Deluxeはベッドが枕木方向で隣の部屋とつないで昔のカルテットのようになります。ベッドも部屋も広くなりますが、演出はたいしたことなくて金額の割にはどうかなっという感じです。就寝前に座席車へ様子を見に行ったのですが、皆さんとても苦しそうな？姿勢と表情でそれぞれ寝てました。消灯後で細かいところは見えにくかったのですが、Amtrakの長距離列車の座席は中距離列車に比べて前後のスペースが2倍くらいあります。毛布と枕のサービスも付きます。日本とのサービスの違いは車掌の接客はそんなに無くて、特に車両ごとに（寝台）サービス担当が居る事です。日本でも大昔に”列車ボーイ”というのがありましたが、ようするにそれです。とにかくコストがかかりすぎるやりかたです。大抵の長距離列車はいわゆる混合列車で貨物のexpress便（郵便も含む）付きで、時間的効率は良くないです。ビールかっ込んで、耳栓をして結構寝ましたが、Cleveland着は午前４時半、、、の予定だったのですが、アムトラックはいつも遅れがちで結局着いたのは午前６時頃、、、まあいいかって所でした。帰りは予定では発車が午前３時４５分頃、、、、でも結局は午前4時半でした。帰りはまず寝て、朝食に食堂車へ行ってからまた寝て、昼食に食堂車へ行ってからNewYork到着までまた寝てました。紅葉を見ながらの昼飯はとても良かったですね。
日本的な旅情というのは無くてこっちでの寝台列車での旅行は独特ですね。サービスは良いですがチップを払わなければなりません。この辺は慣れの必要があります。なにしろ日本ではしょちゅうチップを払う習慣がないですからね。線路状態は基本的に日本の方が断然良いです。特に西海岸は良くなくって、San FransicoからLAへ行った時（Coast Starlight、普通座席）は鉄道酔いするはずが無い私でさえ少し酔ってしまい、脱線しそうだと思うくらい揺れた事もありました。今回のLake Shore Limitedは結構良かったです。初めて寝台で本当にぐっすり寝る事ができ、設備を使い切った思いでした。次回は終点のChicagoまで往復したいですね。ちなみに、帰りの食堂車での昼食でコックさんのオリジナルメニューのチキン・ガンボが一番美味しかったです。