まてゅーさまの銀河号乗車記

今回は寝台急行「銀河」に乗車してきました。乗車日は２００３年３月２０日、東京→大阪間の乗車です。

急遽私用で大阪へ行くことになり、１１時頃までに大阪に着くように行けばいいので、以下の方法を考えました。

1. 新幹線で行く。
2. １回分残っている青春１８きっぷ利用で鈍行乗り継ぎで行く。
3. 一度東京へ出て「銀河」で行く。
4. 「サンライズ」で岡山まで行き、折り返し「なは」レガートシートで大阪へ戻る（笑）。

これらの方法の中から、まだ乗車した事のない「銀河」を選びました（普通は新幹線ですよね（笑））。大阪行きが決まり、「銀河」利用で決定した乗車４日前にサイバーステーションで空席確認をしたらＡ寝台は×、禁煙Ｂ寝台は△、喫煙Ｂ寝台は〇でした。今では希少価値の開放Ａ寝台も利用してみたかったのですが、今回はＢ寝台利用としました。さっそく駅へ行き、喫煙Ｂ寝台下段希望で買い求めたところ、下段はすでに満席・・・。連休前夜とあってかなりの乗車になるようです。とりあえず喫煙車８号車５番上段を確保しました。昨年、今は亡き「はくつる」のＢ寝台上段に乗車した時の経験から、やはり下段がいいと思い、翌日もう一度サイバーステーションで見たら２０日東京発「銀河」はＡ、Ｂ寝台ともすべて×になってしまいました！！（この日発の各寝台列車は軒並み満席のようでした）「もう上段で我慢するしかない・・・」半分諦めてかけた乗車前日の朝、再びサイバーステーションを見たら禁煙Ｂ寝台に△が。ためしに駅へ行き確認したところ、下段があるとの事。さっそく変更してもらいました。発券された寝台券は５号車１５番下段。禁煙車ですが隣６号車が喫煙車なのである意味ラッキーでした。この後「銀河」は再びすべて×となりました。

乗車当日、仕事を終え新幹線で東京へ向かいます。「銀河」乗車約１時間前に東京へ着きました。「銀河」に乗車する事を知ったこちらの知人が八重洲改札口で待っててくれて、２人で八重洲地下の飲食店で腹ごしらえ兼ねて軽く一杯やりました。入線１０分前に９番ホームに行き、「銀河」の入線を待ちます。すでに乗車される人達が乗降口の前で待っています。今回は、腹ごしらえはしたので飲み物だけ買い求めました。２２時５０分、神田方向からＥＦ６５に牽引された「銀河」が入線してきました。機関車にはヘッドマークがないので機関車撮影はせず（もっとも大阪方は柵があり機関車の撮影はできませんが）、最後部のテールマークと方向幕を撮影し、知人と別れてから車内に入ります。乗り込んだ時には私の区画にすでに男性の方が乗られていました。指定の１５番下段に荷物を置き、通路の補助椅子に腰掛けます。発車までの間に乗客の方がぞくぞくと乗り込んできました。発車時間になると「中央線接続待ちのため発車が２分ほど遅れます」との案内が入り、２３時０２分、「銀河」は東京を発車しました。

おなじみのメロディが流れ車掌さんによる車内放送です。停車駅の案内、車内の案内など、そして「本日は満席となっております」と告げられました。時間が時間なのでこの放送がおやすみ放送となり、放送が終わる頃には車内は落ち着きました。すでにカーテンを閉めて寝る人、洗面所に向かう人、補助椅子に腰掛けぼんやり車窓を眺めている人、ベッドで一杯やっている人・・・さまざまです。私も流れ去る都会の夜景を楽しみます。見上げると空には月が・・・。「銀河」のＢ寝台はベッドの色は違えどほぼオリジナルに近く、読書灯も昔のままでした。

さっそく最初の停車駅品川に到着です。２３時過ぎとはいえ、ホームには会社帰りの方達がまだまだ多いですね。補助椅子に腰掛けている私は視線を感じました（笑）。次の停車駅横浜でも同じような光景でした。横浜からも乗られてくる人がいて、車内は少しざわつきます。私の後ろには、たくさんの荷物を持って東京から乗車した女性２人組が、補助椅子ではなく廊下の出っ張りの部分（？）に腰掛けていて、通路を通る人がいるたび「すいません」といいながら立ち上がってまた座り込んでいます。「どうしてベッドに座らないんだろう・・・」不思議に思っていました。そして私の前では、横浜から乗車してきて自分の寝台に先客がいて困っている中学生風の男の子が・・・。大船あたりで、ようやく車掌さんが来て車内改札しているうちに、男の子の寝台に入ってしまった人は、寝台券を持たずに乗車してきている事がわかりました。女性２人組も寝台券を持っていないらしくて、車掌さんに「どこか空いてませんか」と聞いています。「あいにく本日は満席なんですよ」・・・車掌さんも困っていました。このやり取りを見ていた私と私の向かいの寝台の方は顔を見合わせ「ホントに困ったちゃんですね」と苦笑い。これをきっかけに会話が生まれました。いろいろ話をしているうち、この方（４０代の方です。以後「Ｓさん」とします）も鉄道の事がある程度わかるらしく、話がはずみました。Ｓさんは、私が東京から乗車してきて通路の補助椅子に腰掛ける光景を見て「こいつは寝台をかなり乗りこなしてる」と思っていたらしいのです（苦笑）。Ｓさんは私用で京都まで乗車との事です。「銀河」は初めて乗車のようで、目覚まし時計を持参しての乗車です。すでに上段の方はお休みになっているので、小声になりつつもいろいろな話で盛り上がってしまいました。眠くなるどころか目が覚めてしまいました。そういえば、寝台券を持っていなかった人達はどこへいってしまったんだろう・・・？

０時を廻って小田原に到着です。さすがに乗り込んでくる人はいなくなりました。車内もすっかり寝静まり、ときどきいびきが聞こえます。小田原を出て相模湾沿いを走りますが、この時間は闇・・・。熱海近くでは温泉街の夜景が・・・。禁煙車という事もあって、東京を出てからタバコは１本も吸っていませんでしたが、一服したくなり隣６号車（喫煙車）へ行きます。洗面所の所に、国鉄時代そのままの灰皿がありました。洗面所は、もうオリジナル（？）のままです。自動水洗ではなくレバーをひねるタイプです。

丹那トンネルをくぐり、沼津で運転停車です。Ｓさんは通路側と寝台側のカーテンを開け「これなら両方景色を楽しめるね」と言いました。沼津では貨物列車に追い越されました。ホームには終電に乗り遅れた人？が・・・。時間はすでに１時近く、上段の人に気を使いながらも私達の会話は途切れる事なく続きます。向かいの方がこのような人でよかったー（笑）。富士を通過する頃、製紙工場のオレンジ色の灯りがまぶしいくらいです。由比辺りでは国道１号線を走るトラックとぴったり並走！そして静岡到着です。

静岡では７分間停車なので、Ｓさんと２人でホームへ出て気分転換しました。ここでも貨物列車に追い越されます。私は車番をメモして車内へ戻ります。向かいの上りホームには「ムーンライトながら」を待っているであろう人達が２０人くらいいました（１８きっぷシーズンですからね）。静岡発車直後、東京行き「ムーンライトながら」とすれ違いました。「ながら」車内は満席で立ち客もいました。２時になり、私達は寝る事にしました。開放Ｂ寝台は昨年の「はくつる」以来、下段でいえば１２年前の「みずほ」以来・・・、車端という事もあって、走行音はダイレクトに伝わりなかなか寝つけませんでしたが、ウトウトするうちに眠ってしまったようです。

翌朝は５時半頃目が覚めました。外は徐々に明るくなっています。今日は快晴のようです。２２３系などがスタンバイしている脇を通り、「銀河」は５時４３分米原に到着。ホームに到着する時、４８５系ボンネット車両の「びわこライナー」と同時入線でした。今日は休日のはずなのに運転するのかな？米原では数名の方が下車されました。混みあわないうちに洗面所で顔を洗いすっきりします。「銀河」は快調に走り続けます。通過するホームに列車を待つ人が見受けられるようになりました。日の出を迎え、朝日が車内に入ってきます。ベッドから起きてくる人が増え始め、６時１５分頃おはよう放送が入りました。京都で下車する向かいのＳさんも無事起きたようで朝の挨拶を交わします。草津からは複々線になり、姫路行きの普通列車と並走が始まりました。休日とはいえ結構乗客があり、並走する「銀河」を見つめています。大津ではほぼ同時到着。そして「銀河」が若干先発するのですが、すぐ追いつかれ、そして追い越されてしまいます。田舎者の私（爆）は、都会へ出てこないと見る機会がない複々線での並走に心ときめきました（かなりオーバーな表現ですが（笑））。

６時４３分、京都に到着です。乗車している５号車に限っていえば、半分くらいの方がここで下車しました。Ｓさんもここで下車していきました。京都を発車後、上段の方が身支度のため下に降りてこられ、空いた私の向かいの席に座りました。進行方向左手に向日町運転所が見え、４８５系「雷鳥」、５８３系「きたぐに」車両、１８１系「はまかぜ」などがスタンバイしています。一昔前はここ所属の寝台特急がありましたが、ＪＲ化後の今ではありません。有名撮影地の山崎付近では、撮影している人達を見受けました。７時１２分、新大阪に到着です。上段を利用していた方はここで下車しました。スーツを着たサラリーマンでしたからここから新幹線に乗り継ぐのかな？終着間近で私の区画は私１人になりました。あとわずかで大阪です。新大阪を出て淀川を渡り、７時１８分、「銀河」は定刻どおり大阪３番線に到着しました。向かいの４番線には、青森からの寝台特急「日本海２号」がすでに到着済み。「銀河」が到着してしばらくすると「日本海２号」は回送されて行きました。

急行「銀河」は下り上りとも時間帯がいいので、下りは京都観光、ＵＳＪに遊びに行く人など、上りはＴＤＬなどに行かれる人には便利な列車だと思います。出張で利用するにも便利な列車ではないでしょうか。よく最終新幹線に乗り遅れたビジネスマンの方も利用するようですね。しかし「のぞみ」なら東京〜新大阪間は２時間３０分、通常期指定席料金と運賃で１４７２０円、「銀河」は約８時間２０分、急行・Ｂ寝台料金と運賃で１６０７０円・・・。「のぞみ」利用の方が安いんですよね。ほぼ同じ所要時間の夜行バス「ドリーム大阪号」は８９７０円、「青春ドリーム大阪号」なら５０００円！！料金では「銀河」は割高になってしまいます。「銀河」も平日は空席が目立つようですが、私が乗車した時のように連休前夜やピーク時には満席になる日もあるのですからまだまだ捨てたモンではありません。東海道名門夜行急行「銀河」、これからも走り続けてほしいと思います。

３月２０日〜２１日　　１０１レ「銀河」