島根から静岡に上京して早五年以上経ちました。初めて『サンライズ出雲』に乗ったのは、去年の2003年10月。母親が手足のしびれを訴え、出雲の大学病院で首の方を手術するとの事。早速インターネットで新幹線の乗車時刻を調べようとした所、気になる寝台車の文字。そしてもっと詳しくと調べた所、このサイトに行き当たりました。
この文はひとつの物語として読んでいただければ幸いです。
チケットは平日ですんなり取れました。一階のソロです。静岡の沼津からは、23時40分発。乗ってももう寝るだけの時間です。車内販売が無い事もあり、コンビニでお菓子や朝食、お茶などを買い込み乗車。送ってくれた旦那と別れを惜しむ時間も無く、あっけなく出発。(もっと悲しむ時間があればいいのに！つまらん)朝早く起きて車窓を眺める時間が、寝台車っておもしろーい☆という気持ちを高めてくれました。出雲に着いたのは朝10時。出雲医大に到着して、数時間。母も無事手術が成功し、着実に元気になって行きました。帰りはやっぱり『サンライズ出雲』 2階のソロでした。1階と2階。両方乗ってみて言えることは、2階の方が荷物を置くスペースがあるので良かったなと思います。お見舞いの途中、自分の身体がぐらぐらするので「？」と思いましたがその内、あぁ寝台車のせいだという事に気が付きました。
そして・・・。今年2004年の4月。3日後に海外旅行に行くのを控えた日父親が危篤との事で、急遽キャンセルをし、又々『サンライズ出雲』のチケットを予約しに行ったら、甘かった・・・。前回すぐチケットが取れたので【田舎だからすぐ取れるわぁ】と考えていた自分がいました。その日は土曜日でした。カウンターで「明日なら空いていますが。」との答えに【危篤だからまだ大丈夫だろう・・・】と思い、「じゃあそれでお願いします。」と、チケットを買い、次の日の帰路になりました。
案の定、すごく楽しみにしていた海外旅行をキャンセルしてまで帰ってきた私は父の悪態を聞く事になります。【なんだ・・・！まだ全然大丈夫じゃん。】あ〜イライラする・・・！少しの間、病院と実家、姉の家を行き来して、すぐ又『サンライズ出雲』で静岡へと帰ってきました。
もう知らん！と思い又、海外旅行の予約をし、一息ついたその夜、姉からの電話。旦那の仕事の都合上今度は寝台車は無理だったので、次の日新幹線で実家に帰りました。そして、お通夜・火葬とあれよあれよと終了していきました。帰ってから旦那(静岡出身)は寝台車に乗りたかったらしく「寝台車に乗れなかった。まぁしょうがないけど・・・。」と言ってました。
はははっ☆私の実家は島根なんだから又乗れるさ！
私はと言えば、海外旅行も無事終了し、添乗員さんやキャビンアテンダントさんの「本当に全部天気が良かったですね、先週でしたら天気も悪くて寒かったんですよ！」の一言で、今までずっと何十年も嫌いだった父に感謝する事が出来そうです。こんな性格の悪い娘を許してくれるかは別ですが。ご冥福をお祈りします。