もりもりさまのムグンファ１２１６号乗車記

韓国・ムグンファ１２１６号乗車記

この４月にＫＴＸ（新幹線）が開業した韓国でも寝台車が健在でした。寝台専用列車はなく一部の夜行急行列車に１両だけ連結されているだけで、その列車は以下の上下４本です（観光交通時刻表２００４年６月号より）。

龍山はソウルから約３キロ南にある駅で、ソウル駅からは地下鉄１号線で２駅目です。

今回は釜山からソウルまでのムグンファ１２１６号の寝台車に乗り込みました。

釜山駅にやってきたのが２１時半少し前。改札では２１時半発のＫＴＸ７２号ソウル行最終便が改札中でした。これに乗れば０時半にはソウルに着けますが、今回乗車する列車はその５５分後に出発してＫＴＸの倍もの時間をかけてソウルに向かいます。ソウル行きの夜行列車は他にも数本ありますが、寝台車が連結されているのはこの１２１６号だけです。

出発２０分前に改札が開始され、ＫＴＸ開業で導入された自動改札機を抜けてホームへと向かいます。ホームに下りて間もなく列車が入線してきました。アメリカンタイプのＤＬに引かれた堂々の１２連。寝台車はＤＬ後位の１号車です。編成は以下の通り。

寝台車入口で担当車掌に乗車券をチェックしてもらい車内へ。車内の寝台レイアウトは日本の一般型Ａ寝台をそのまま個室化した感じ。出入口にはアコーディオンカーテンがあり寝台内からは施錠もできるようになっています。現在使用している寝台車は数年前に新製されたもので、それ以前は銀河号Ａ寝台同様の開放式だったそうです。小生は指定の上段にあがります。寝台と寝台の間には上段用の階段スペースがあって、上段利用者はそこから寝台に上がります。寝台内にはシーツが敷かれたマットレス・毛布・枕が置かれていました。読書灯もあり設備はほぼ日本のと変わりません。

２２：２５分に定刻で釜山を出発、沙上・亀浦と釜山市内の各駅に停車して乗客を拾っていきます。疲れていたので釜山市内最後の駅：華明を出発したところで寝ることにしました。しかしＤＬの後位だけに力行時の騒音には参りました（苦笑）。惰行しているときはとても静かなのですが。でもいつの間にか慣れて眠りに入っていきました。

小生が眠っている間にも、この列車は１５〜３０分おきに主要駅に停車していきます。三浪津・密陽・清道・慶山・東大邱・大邱・倭館・亀尾・金泉・永同・沃川・大田・新灘津・鳥致院・天安・平沢・・、そして目が覚めたのがソウル首都圏の水原。時間は３時半。終着まであと３０分になったので下車の準備を始めます。３時５０分にソウル市内の永登浦に到着して残り一駅。漢江鉄橋を渡ったムグンファ１２１６号は終点ソウルにほぼ定刻で到着しました。

朝の４時にソウル駅から出されても、地下鉄は５時半にならないと動かず、やることもないので、駅近くの２４時間営業サウナに行き、一風呂浴びて少し仮眠をとってから次の行動へと移りました。

以上が乗車記となりますが、補足事項を数点。

○食料事情
ホームには売店・自販機もなく、また寝台車は保安上普通車と行き来できないよう貫通路扉を施錠しているので、飲み物や食べ物は改札前に仕入れておくのが良いです。また途中駅での長時間停車もありません。

○寝台料金
運賃とは別途寝台料金（上段：２８，８００ウォン・下段３９，０００ウォン）が必要です。日本円に換算すると３，０００〜４，０００円です。なお、外国人用の全線乗車券（ＫＲ - Ｐａｓｓ）利用者は半額になります。　地元の方は寝台料金が荘旅館やモーテル（日本でいう民宿〜ビジネスホテルクラス）と値段が変わらないことからあまり利用されないようで、週末などは普通車が満席でも寝台車は余裕ということがあります。今回利用した寝台車も小生含めて５人しか利用者がいませんでした。