今年も寝台特急の旅を昨年と同じメンバーで行ってきました。昨年は「あさかぜ」に東京から乗車しましたが（03.10.19 updateをご覧ください。）、今回は北海道に行くことにしました。そこで、旅行の復路として２００４年９月３０日に「北斗星４号」のＡ個室「ロイヤル」を利用させていただきましたので、その乗車記を投稿させていただきます。
第１希望 Ａ個室「ロイヤル」 ３部屋
第２希望 Ａ個室「ツインデラックス」 ２部屋
第３希望 Ｂ個室「ソロ」 ３部屋
第４希望 Ｂ寝台
昨年の「あさかぜ」の「シングルデラックス」よりは明らかに閑散期とは言え、キップは取りにくいと考えていました。１編成にたった４部屋しかないＡ個室「ロイヤル」を３部屋確保しなくてはならないからです。それも人気のある「北斗星」のキップです。１度は「ロイヤル」に乗ったことがあります（02.12.01 updateをご覧ください。）ので、キップの手配の難しさはわかっていました。しかし、何回かこのメンバーで旅行に行き、すべて希望通りのキップを取ってきたので、今年もメンバーから確実に「ロイヤル」を３部屋押さえることができると期待をされていました。（笑）
ひとまず、２ヶ月前を切った２００４年８月２日に各旅行会社に２ヶ月前の事前受けをしてもらうために、１５ヶ所の旅行会社を廻りました。暑い中、２ヶ月後の「ロイヤル」に乗ることを夢見てがんばりました。まぁ、どこの旅行会社へ行っても「ロイヤルを３部屋は難しいと思いますよ〜」と言われました。(^^;それは僕自身もわかっていましたので、「１部屋でもかまいませんので取ってください」とお願いして廻りました。これで、１５ヶ所の旅行会社と結果が判明する１ヶ月前の８月３０日の１０時打ち２ヶ所の合計１７ヶ所に勝負を賭けました。そして、ついに結果の出る８月３０日となりました・・・まずは恒例の朝早起きをしまして、５時５０分に横浜駅へ行き、みどりの窓口の朝６時からの事前受けを整理券「１番」で受けてもらいました。そして、一旦自宅へ戻り１０時になるのを待ちます。しかし、１０時の段階で僕の体が空いていることに気がつきました。これはもったいないということで、自宅の最寄駅のみどりの窓口へ行って、自分も直接１０時打ちに挑戦することにしました！！だから、１０時打ちは横浜駅と最寄駅の２ヶ所となりました。余っていたキップの申込用紙に書き込んで、ダメ元で９時５５分に最寄駅に行って「１０時にお願いします」と頼んでみました。そして、９時５９分から大きな駅の１０時打ちのように電話の時報を流しはじめて、窓口が１つしかない駅なので定期券を購入したい人を「少々お待ちください」と完全に１０時打ちの体制を整えてもらいまして、僕もその結果を見守ります。この瞬間はかなりドキドキしました。久しぶりにこんな緊張感を味わいました。そして、１０時ジャスト！！結果はいかに・・・「ごめんね〜、ロイヤル１部屋しか取れなかったよ〜」という駅員さんの声が返ってきました。まさか取れるとは思っていなかったので、１部屋取れたことでビックリしました！！「最寄駅の１０時打ちもなかなかいけるなぁ〜」と幸先のよいスタートを切ることができました。ということで、まずは１０時の段階で「ロイヤル」のキップを１枚手に入れることができました。でも、３人旅であることから「ロイヤル」を利用するには最低もう１枚のキップが必要です。最悪、補助ベッドが使用できるので、２枚の「ロイヤル」のキップが必要になるわけです。
続いて、朝に頼みに行った横浜駅へ向かいます。ここは毎年僕の希望を叶えてくれる、ある意味本命の窓口です。 きっと１枚くらい取っているだろうと期待して横浜駅の窓口に行きました。整理券を渡し、キップを３枚手に持った駅員さんが来ました。「おっ、まさかロイヤルを３枚押さえたのか！？」と思いました。しかし、持って来たのは、「ソロ」３枚のキップでした。ひとまず、この旅行の往路は「はやて５号」、「スーパー白鳥７号」、「北斗１１号」と行きは寝台特急ではないので問題なくキップが取れていましたので、復路となる「北斗星４号」のキップを人数分用意することができました。ということで、「ソロ」を３枚確保して、次の旅行会社を廻り始めました。ところが、これっきり旅行会社を廻っても、「個室はぜんぜん取れませんでした」、「Ｂ寝台を３枚取りました」という結果が次々と返ってきました。最寄駅で「ロイヤル」を確保して以来次なる「ロイヤル」のチケットがぜんぜん僕の前に現れませんでした。さらには、「北斗星２号」の「デュエット」を３枚押さえていた旅行会社もありました。（笑）３人旅にデュエット３枚は多すぎますよね。もうロイヤルを３部屋は無理であろうと諦め、僕は「ロイヤル」の乗車経験がありますので乗ったことのない２人に補助ベッド使用で「ロイヤル」を使ってもらって、僕は未乗車のＢ個室「ソロ」に乗ろうと決めていました。
そんな気分で、１２ヶ所目の旅行会社に行きました。ここは店員が少なく、なかなか順番がまわってこないで、事前受けの時もイライラさせられた所だったのですが、やはりこの日も待たされました。もうさんざんダメな結果をもらっているので、半分あきらめモードで待っていました。ようやく僕の順番がまわってくると、「申し訳ありません、１部屋しかロイヤルが取れませんでした・・・・」との応えが・・・。これはうれしかったです。１０時から動き始めて、５時間後の１５時過ぎにようやく２部屋目となる「ロイヤル」を押さえた旅行会社が現れました。でも、もう残り数ヶ所の旅行会社しか残っていなかったので、「ロイヤル」は２部屋で決まったと思ったので、この「ロイヤル」を補助ベッド使用のものに切り替えてもらいました。これで、僕を含めて全員「ロイヤル」に乗車できると思って喜びました。しかし、このあとに大逆転劇が待っているとは・・・
そして１４ヶ所目の旅行会社に来ました。時間は１８時ちょっと前でした。なんと、もう１枚の「ロイヤル」のキップを僕の前に持ってきたのです！！もう最高でしたね、この時の気分は！！ということで、残りの旅行会社も「ツインデラックス」と「ソロ」の組み合わせなどで取っていましたが、キャンセルをしてもらいました。希望通りの３部屋の「ロイヤル」を確保することができました。今でもプラチナチケットと呼ばれる「ロイヤル」のキップを３部屋取れるなんて、最高の気分でした。そして次の日、ダメ元で補助ベッド使用に切り替えた１枚の「ロイヤル」を元の１人使用に戻しに旅行会社に行ってきました。旅行会社の人に「１人行けなくなっちゃったのですか？」と聞かれました。そこで３枚取れたことを話すと、大変驚いていました。ということで、１ヵ月後の９月３０日を待ちます。いや、正確には旅行は４泊５日なので、９月２７日の「はやて５号」に乗れる日を待ちます・・・。
旅行は函館・札幌・小樽の観光でした。僕以外、北海道上陸は初めてということでしたので、行きは東北新幹線「はやて５号」で八戸、そこから「スーパー白鳥７号」のグリーン車で昼間に青函トンネルをくぐるというイベントをつけて函館。初日は函館で１泊をして、次の日「北斗１１号」のハイデッカーグリーン車で上り寝台特急では見ることのできない北海道の日中の時間帯の景色を眺めながら札幌へ。札幌には２泊しまして、いよいよ旅行も終わりに近づいてきて、９月３０日の夜となりました・・・まさか迷走台風２１号に最大のイベントを邪魔されるとは、台風の存在は知っていましたが、もう太平洋に抜けたものと思っていましたので、その時は安心しきっていました。
１８時には札幌駅で「北斗星４号」に乗る準備を始めました。お土産を買ったり、列車の中で食べる駅弁や飲み物を買ったりしました。そして、１９時０４分・・・北斗星４号は札幌駅５番ホームに定刻に入線してきました。もうこの瞬間はいくつになっても興奮するものがあります。入線してくる北斗星を撮影するのはこれで２度目ですが、いつも上手くいきませんね。やっぱりボケてしまいました。ひとまず、前回は寝て過ごしてしまいほとんど列車の雰囲気を楽しめなかったので、青函トンネルまでは絶対寝ないと心に誓ってロビーカーより乗り込みました。
まずは、誰もいないロビーカーを撮影するためです。そして、食堂車「グランシャリオ」、８号車「ツインデラックス」、９号車「ソロ」、そして１人を「ロイヤル」に案内して、１０号車の「ロイヤル」へと２人で行きました。「ロイヤル」は４部屋あると言っても、２部屋ずつ車両が分かれてしまいますからね・・・。ついに２年ぶりの「ロイヤル」です。ちょっと室内の照明の色の雰囲気が変わったなぁ、と思いました。暖色系の雰囲気になっていました。前回の乗ったときよりも、綺麗になった印象がありました。「ロイヤル」の室内に２人はとても感動していました。思ったよりも広かったようで、こんなに広いの！？と驚いていました。このキップを取って、こうやって喜んでもらえる瞬間が僕は何よりも嬉しかったですね。やはり、前回もそうでしたが「ロイヤル」の部屋を見てみたいおばさまたちがいましたので、今回も快く部屋を見せてあげました。「どうやってここの部屋取ったの？」など、いろいろ聞かれました。「努力です」と答えておきました。（笑）荷物を置いたあとも、テールを写真に撮りに行ったりと忙しく動き回りました。そして、ウエルカムドリンクサービスも持ってきてくれました。前回乗ったときは、ウイスキーはなかったと思うのですが、今回はウイスキーもミニボトルでありました。ということで、水（ペットボトル）、お茶（缶）、ウイスキー（ミニボトル）、おたるワイン（白）、と氷でした。列車は対向列車の遅れのため３分遅れて１９時３０分に発車をしました。列車が動き出すと、改めてこの列車、部屋のよさを実感しました。
９号車の「ロイヤル」へ行くと、雰囲気は僕が前回乗ったのと同じでした。つまり、９号車「ロイヤル」と１０号車「ロイヤル」では照明の色あい、椅子など微妙に違っていました。１０号車「ロイヤル」の方がトワイライトエクスプレスほどではないけれど、リニューアルされていたのではないでしょうか。あと、今回の列車は自動販売機が故障していました。（笑）したがって、飲み物は食堂車で販売する放送が何度も流されていました。発車後、すぐにディナータイムとなり予約はしていなかったので、パブタイムを待ちます。２人は前回の「あさかぜ」が初めての寝台特急ですが、食堂車は初めてとなりますので、パブタイムで食堂車の雰囲気も味わうこととなりました。恐らく「グランシャリオ」は混雑すると思い、パブタイムの案内放送が入ったらすぐに食堂車へ行きました。そして、もう食堂車にも２人は感動していましたので、僕は本当に嬉しかったです。食べ終わる直前に、ロビーカーにて北斗星の記念グッズを販売するとの放送が入ったので、ロビーカーへ行きました。前回はずくに眠りについてしまい販売があったことさえ知らなかった、記念グッズを購入しました。僕は３０００円の皮製キーホルダーを購入しました。ようやく「北斗星」の記念グッズも手に入れることができました。部屋に戻るとシャワーを浴びてくつろぎのモードに入りました。１０分シャワーを使えますが、朝のために半分の５分は残しておきました。そして、函館に到着する頃には３分の遅れも取り戻しましたようでした。ひとまず、函館駅では進行方向が変わり機関車も付け替えるので、機関車を撮影しに函館駅ホームに降りました。そして青函トンネルへ向けて快晴の月明かりの中を北斗星は駆け抜けます。とてもいい天気で最高の雰囲気を味わいました。０時３８分頃「北斗星４号」は青函トンネルへ入りました。ここまで無事に起きていることができました。しかし、さすがに眠くなってしまい、青函トンネルを抜ける前に眠りについてしまいました。(-_-zzz
ふと目が覚めると、もう空が明るくなっていました。そして列車も止まっていました。その時はどこの駅に止まっているか確認することなくトイレを済ませて再び眠りにつきました。しかし、再びトイレで５時半頃に目が覚めるとまた列車は止まっていました。正確には「また」ではなく、「まだ」でした。で、カーテンを開けてどこの駅か確かめると青森県の「三沢駅」でした。おかしいと思いながら、まさか台風のせいで止まったのか！？と思いながら、ホームをよく見ると天気は快晴でしたが、ところどころに水たまりがあり、雨が降ったんだなとすぐにわかりました。いっこうに列車は動く気配がなく、停まったままでした。「まさか、三沢じゃ八戸まで来てないから新幹線で振り替えないだろうな〜」なんてちょっと心配を始めました。部屋が寒かったので、残りのシャワーを浴びてこの状態を見守ります。そして、６時０３分ついに車内チャイムと共に車掌さんから案内が入りました。「２時５８分より、この三沢駅で臨時停車をしています。八戸より先の青い森鉄道の目時付近で台風による川の増水のため、流木が流れて線路を破壊してしまいました。復旧にはかなりの時間がかかるため、八戸からの新幹線による振替輸送を計画しています」との最悪の案内が・・・。しばらくすると、「みなさんの新幹線のキップを手配できました。しかし、この列車は先発の北斗星２号が八戸駅のホームに停まっているため、八戸駅には乗り入れができません。そこで、ここから特急のつがる６号で八戸に行ってもらうことになります」というさらに最悪の案内が。まさか、三沢というまだ北斗星の旅の半分までも行っていないところで、いきなり強制終了させられるとは・・・。もう悔やんでも悔やみきれない結果となってしまいました。
７時１５分ついに三沢駅でドアが開き、「北斗星４号」の旅は三沢駅にて終了となってしまいました。本当なら、朝ごはんを「グランシャリオ」で食べて、のんびり上野駅のホームに入るはずだったのに・・・。上野で機関車をバックに記念撮影をするつもりだったのに・・・。すべてが中途半端に終わってしまいました。
７時３０分に「つがる６号」が入線してきて、どこの座席でも構いませんので乗ってくださいと言われて、乗ってきた北斗星を突然のさよならをする形で八戸駅へ向かうのでした。もちろん、どこの席でもいいということで、グリーン車に座る人もいました。時間にすると三沢から八戸まではたった１２分ですが。そこからは、新幹線「はやて６号」のキップをもらって今までの遅れを取り戻すように、猛スピードで東京に戻るのでした。せっかく苦労して取った「ロイヤル」のキップは、新幹線の普通車指定席に変えられてしまったのです。（涙）グリーン車は取れなかったという案内が、車掌さんから直接ありました。ひとまず、Ａ個室を利用している人には、グリーン車を用意するつもりであったようです。
この出来事で、さらに寝台特急へのあこがれは増大しました。絶対にいつかまた「北斗星」でしっかりと終点まで乗りたいと思います！！！なんとなく、まだ旅行が終わってないような気がしてなりません。天災といえども、残念な旅行の終わり方となってしまいました。
ここまで長々と読んでいただき、本当にありがとうございました。