今年の元旦、私の実家（神戸）から妻の実家（江別）に帰省するためトワイライトエクスプレスを利用しました。
11時過ぎに大阪駅10番線に着いた。他のホームの賑やかさに比べてこのホームはいつも静かだ。大阪、京都終着の列車や寝台特急が主なのでそれほど多くの人が利用しないためだろう。でも、長距離の列車の旅立ちにはふさわしいかもしれない。やがて「トワイライトエクスプレス」が入線してきた。食堂車へ食材の積み込みが行なわれる。我々も２号車に乗り込んだ。今回は「ロイヤル」を妻と２人で利用した。一ヶ月前の発売日には取れずＢ寝台を予約していたのだが、前日駅で試しに確認したところ１部屋空いていたので変更してもらった。
１２時の発車時間を迎えるが先行する「スーパーはくと」の遅れのため５分遅れて発車。次の新大阪は遅れのためすぐに発車した。食堂車のスタッフが部屋を訪れウェルカムドリンクのオーダーと食事の予約を取りに来た。我々は夕食は金沢で購入する予定にしていたので翌日の朝食のみ予約する。京都を過ぎ琵琶湖が右手に見え始めた頃食堂車で昼食をとる。今や食堂車でランチが食べられるのはこの列車だけとなった。食事の後に車内を一通り見てまわる。大阪駅から乗り込んだ人は少なかったがいつの間にか個室は満室、Ｂ寝台も半数以上埋まっており、元旦から大盛況である。団体ツアーが２組ほど入っているためらしい。
湖西線から北陸線に入り、敦賀に停車。以前乗った時より停車時間が短くなりすぐの発車。武生で後続の「サンダーバード」に道を譲る。４２分も後に大阪を出てきたのにもう追いつくとはさすが俊足を誇る列車だけのことはある。金沢で５分の停車。今や唯一の長時間？停車（運転停車を除く）なのでホームに下りて本日の夕食にする駅弁を購入した。我々の他に購入した人はいなかった。みんな食料持込かリッチな方々はディナーを予約しているのだろうか？
富山を過ぎやがて日本海沿いに出る。「トワイライトエクスプレス」のハイライトシーンの一つだがこの時期は日没が早いのですっかり暗くなっている。西の空が辛うじて明るさを残しており何とか外が見える。糸魚川を通過し交流と直流のデッドセクション付近でいきなり列車が止まった。放送によれば信号が急に赤になっためとのこと。15分ほどたってゆっくりと動き出した。原因は何だったのか？
地震で不通になっていた区間を通り過ぎ、本日最後の停車駅である新津から羽越線に入る。ここからは単線と複線が入り混じり、列車の速度が落ち、揺れが激しくなってきた。食堂車ではディナーの２回目が行なわれているがスタッフはもちろんのこと食べる方も大変ではないだろうか。本来は鶴岡で運転停車するのだが、一つ手前の駅で停車。まだ遅れを取り戻していないようだ。しばらくして「日本海２号」が隣を通過していった。シャワーを浴び、ベッドをセットして寝ることにする。相変わらずよく揺れるためなかなか寝付けない。妻はお構いなしに寝ている。
やがて少しは寝たのだろうか目が覚め、真っ暗な窓の外を見ると海沿いを走っており、しばらくして蟹田に停車した。いつの間にか青森を過ぎていた。「北斗星」でも「トワイライト〜」でも不思議と青森で目が覚めるのだが今回は珍しい。青函トンネルを抜け北海道に上陸。外は雪が降っているが青森側ほどではない。五稜郭に停車。ここで機関車付け替えのため、しばらく停車する。正確な時間は運転停車のため時刻表に記載されていないのでわからないが、まだ遅れは取り戻せていないようだ。停車時間を短縮すると思って外を覗っていると「北斗星81号」が函館に向け通過していった。それを待っていたように直ぐに発車した。後ろには「北斗星１号」が徐行しながら五稜郭駅に入ってくるのが見えた。
５時半頃妻も起きてきて早々にベッドを元に戻す。６時にモーニングコーヒーが運ばれてきた。列車は心なしかいつもより速く走っているような気がする。遅れを取り戻すためだろう。６時４０分、食堂車に行って朝食を取る。幸い内浦湾が見える側の席で妻は喜んでいる。彼女は車窓から見る内浦湾の風景が好きだ。私も好きな車窓風景の一つだ。食堂車は大盛況で今日は札幌に着く直前まで４回転するとのこと。東室蘭で列車は遅れを完全に取り戻した。札幌から「オホーツク」に乗り継ぐので遅れが拡大するとまずいと心配していたので一安心だ。
南千歳も定刻で出発し、荷物を整理し始めたころ列車が徐行し始め、恵庭駅の手前で止まってしまった。しばらくして放送が入り、直前を走っている普通列車で非常ブレーキがかかり、解除できず恵庭駅から発車できなくなっている、係員が札幌駅から恵庭に向かっているとのこと。せっかく遅れを取り戻したのに何たることだろう。どうにも困ったことになった。このままでは札幌駅で「オホーツク」に乗り継げない。次の「オホーツク」は5時間以上ない。車掌室に行って「オホーツク」に乗り継ぐ旨を伝え、しばらくするとようやく列車が動き出した。この時点で36分遅れているとのこと。札幌での乗り継ぎ時間は34分なのでギリギリで間に合わない。放送で呼び出しがあり再び車掌室に行くと、札幌駅での乗り継ぎはできないので10時発の「スーパーホワイトアロー」で旭川まで行って欲しい。「オホーツク」は旭川駅でお客様をお待ちしていますとのこと。どうにか乗り継げそうだ。
やがて最後の車内放送が入り、札幌駅が近づいてきた。この時点で若干遅れを取り戻し32分遅れとなった。このまま行けば札幌で何とか乗り継げるかもしれない。早めにデッキに向かい待機する。結局列車は9時39分過ぎに札幌駅3番線に到着した。我々はドアが開くや否や階段を駆け下り、「オホーツク」が待つ10番線へ走る。10番線のエスカレーターを登る頃には発車のベルが鳴り響いている。我々が列車に乗ってすぐにドアが閉まり発車した。重い荷物を持って走ったため、私も妻もゼイゼイいっている。やれやれ、「トワイライトエクスプレス」の旅の余韻を味わう余裕は全くなかった。でも乗り継げて何よりであった。「トワイライト〜」から乗り継いだ客は我々だけだったようだが、他の列車でも札幌で乗り継げなかった客が数名おり「オホーツク」は「スーパーホワイトアロー」からの乗り継ぎ客を待って旭川駅を14分遅れで発車した。
「トワイライト〜」は何度も利用しているが本当に列車の旅を満喫させてくれる。今度は季節を変えて日の長い時に乗ってみたい。そしてまだ一度も食べていないフランス料理のディナーも・・。
終わり