１０年ぶりに寝台特急を利用しました．（1月28日(金)静岡―小倉さくらBソロ上段8号車8番）
疲れを残すと翌週の業務に差し支えると考え，万全の体制で望みました．寝台でぐっすり眠れるように前日は夜更かしをし，当日の昼は，いつもなら会社の昼休みに20分程度仮眠を取るのですがそれも止めました．弁当は使い捨て容器に女房殿にお願いして詰めてもらい，ビールは乗車寸前に購入するとして，ワンカップを二瓶とおつまみをコンビニで購入しました．あと，文庫本を2冊．
ホームについたのが，20時ごろでしたので，ホームの立飲みで，熱燗とおでんをいただき，寒さをしのぎました．静岡駅のホームも，どの位置に何号車の入り口が到着するかよく分かりませんでした．昔は表示があったように記憶していますが，寝台列車の削減により，ホームの表示もいつのまにか忘れ去られたのかもしれません．20:36定刻どおりに，列車はホームに入りました．私は結局，ロビーカーのあたりにたたずんでいたのですが，8号車の入り口まで列車の中の様子をうかがいながらゆっくり歩いて進み，余裕で乗車することができました．
ロビーカーは人がいっぱいで，なにやら大宴会が行われているようにも見えましたので，今晩はおとなしく自分の部屋で過ごすことに決めました．8号車に乗り込み，8番の部屋を何の疑いも無く"ガチャリ"と開けると，そこには"おっさん"が寝ていました．"私は8号車8番ですが，お部屋を間違えてはりませんか？"とできるだけ丁寧に，怒りを抑えて，笑顔で切符を見せながら話し掛けました．おっさん"は"ジロッ"と切符を一瞥し，おもむろに自分の切符の確認をはじめました．"おっさん"の切符を見ると"8号車15番"ではないですか．（怒）でも，ここは怒りを抑えて，"15番はあっちの下段です．"と事務的にいうと，"おっさん"はそそくさと荷物をまとめ，お詫びも無しに"8番"の部屋を後にしました．気分悪る〜〜．
その直後，車掌さんが改札に現れました．私は"変なおっさんが部屋間違えてましたよ．あっちの15番に行きましたが困りますよ．"と苦情を言うと，車掌さんは"8号車と8番を間違えたんですね．ハッハッハ．"と，これもお詫びも，改札も無しに15番の方へ行ってしまいました．私は"お前（車掌）も間違えたんのと違うんかい！"と怒りがまた込み上げましたので，すぐにドアに鍵をかけて，酒を一気に飲んで寝ることにし，実際，下関の手前まで，誰にも邪魔されずにぐっすりと休むことができました．せっかく準備した本を読むこともできなかったのは残念ですが．
下関を発車しても，車掌は来ません．確か，昔は降りる1時間から30分ぐらい前に車掌が鍵を回収にきたと記憶していましたが，昨晩，改札しなかったので，車掌は私の降りる駅が分からないのだろうと考え，ちょっといたずらを思いつきました．鍵を部屋の中のちょっと分かりにくい場所に置きました．鍵が見つからないと車掌さんはきっと一瞬あせることでしょう．車掌さんが，"おっさん"の部屋を間違え，私の改札をせず，部屋の鍵を回収できなかった罰としては，妥当かな．
注）個室の鍵を持って帰ってしまえば，完全に犯罪ですので，絶対に止めましょう．私は「鉄っちゃん」では，ありませんが(笑)，九州への寝台特急は，これまでに20回近く乗車しています．と，いうのも，私の実家が小倉にあり，また，就職してから静岡の職場に勤務している関係で，お盆とお正月の帰省には，必ずといっていいほど，寝台特急を利用していたからです．
'94年に結婚し，一度女房と小倉まで往復寝台特急を利用しましたが，そのとき，女房が全く眠れなかったということで，それ以来，寝台特急とは無縁のまま10年の歳月が流れました．この静岡―小倉というのは，多分，定期的に寝台列車を利用するにはベストの区間だと思っています．なぜなら，静岡では，いつもどおり仕事を終えてから余裕で乗車することができますし（残業すると無理ですが），乗車時間がほぼ１２時間なので，翌朝めざめて，ちょうどいい時間に小倉に到着するからです．静岡着も同じくちょうどいい時間です．また，小倉は九州―東京の寝台特急が全て停車します．当時，私の記憶では，富士，さくら，はやぶさ，みずほ，あさかぜｘ2の計6本が運行されていたと思います．（あさかぜの一本は下関発だったかも．．．）
今回，私の祖父母の法事が小倉で行われることになり，女房と子供は静岡に置いて，私一人で帰省することになりましたので，寝台特急を利用することに決めました．ところが，インターネットで時刻表を検索して，びっくりしました．何と6本あったと記憶していた寝台特急が富士とさくら・はやぶさの2本だけ（下関までのあさかぜを含めても3本）になっていたからです．さらに，次回のダイヤ改変時にあさかぜとさくらが廃止され，はやぶさ・富士の一本だけに縮小されてしまうとのこと．私の知らない間に寝台特急受難の時代になっていたのですね．