いつも楽しく拝見させてもらっています。平成17年3月22日に、宮崎から新大阪まで寝台特急彗星号を利用しました。旅行期間に福岡地震があり、その時の交通機関の混乱についても記しますので、話題が寝台列車以外にも及んでおります。お許しを。
今回は衝動的な旅行。3月20日からの出張が、１週間前にキャンセルとなり、しかも残る代休も速やかに消化せよ、と職場からの指示。妻に相談したところ、「仕事続きだったんだから、一人旅で気分転換しておいで！」とのこと。気持ちをありがたく受けることにしました。
さて、プランニングです。行き先はどこでも良かったので、
を条件としました。
このＨＰをはじめ、他の数サイトをサーフしたところ、ＪＲ九州のＨＰに、「日本三大車窓を楽しむ肥薩線の旅」が紹介されており、また、沿線に温泉もあることから、このエリアが候補地となりました。旅行期間は３日間しかとれないので、一点集中主義、また、東京発の「はやぶさ」は時間がかかりすぎるので除外です（ちなみに「さくら」と「あさかぜ」が廃止されたのを今回初めて知り、ショックでした）。
結果的に移動は、往路が札幌から福岡まで飛行機、福岡から人吉まではＪＲ、復路は人吉、吉松、都城、宮崎経由新大阪行きで、宮崎から新大阪までは彗星号を利用し、大阪から札幌まで飛行機と計画しました。
飛行機はマイレージが貯まっていたので、それを利用することとし、札幌から福岡、伊丹から札幌までの特典航空券の空席を確認すると空きがあります。悩んだ挙げ句、寝台券が取れなかったら変更の必要があるため、寝台券取得を優先し、特典航空券の予約は後回しにして、駅へ寝台券を買うために向かいました。
彗星号の編成表を見ると、荷物車や電源車の表示がありません。この列車は、編成の両端の車両に発電エンジンを積んだ種類だなと思い、１号車と６号車は避けようと思っていたのですが、煙草の吸える車両は、この２両と２号車の「ソロ」だけでした。
「ソロ」は狭いので嫌でしたが、安眠を優先して、駅窓口で頼んだところ、連休中なのにあっさりと寝台券がとれました。事前にこのＨＰで予習したので、券に記された５番室は山側の下段だとわかりましたが、とりあえず出発１週間前で「ソロ」が確保できたので良しとしました。
さて、家に戻って、マイレージ特典航空券の予約です。ところが、さっきまで空席があった札幌から福岡の便が満席です。しばし呆然とした後、次善の策として、往路は札幌から伊丹、伊丹から福岡の乗り継ぎとしました。伊丹から福岡までは追加出費です。
いよいよ出発の3月20日を迎えました。新千歳空港で搭乗手続を終えた直後、福岡で大きな地震発生のニュースです。しかしマイレージ特典航空券なので、この時点での変更もできないため、とりあえず伊丹行きに乗り込み、伊丹空港到着前に客室乗務員に確認したところ、「福岡行きは予定どおりです」の返事に一安心。
伊丹から福岡行きに乗り換えました。機内では「福岡空港は平常どおりですが、福岡市営地下鉄・ＪＲ博多発着列車は運休、福岡空港からの高速バスはダイヤに大幅な乱れ」とのアナウンス。伊丹から九州までの飛行機代追加出費をケチったことが仇となりました。思案した結果、福岡空港から熊本までは高速バスにすることを決断。福岡空港に到着後、一目散に高速バス乗り場に向かいました。
高速バス乗り場は大混乱。「福岡都市高速道路通行止による大渋滞で、次のバス発車時刻はわからない」と繰り返しアナウンス。バス停に並んだ順に定員乗車なので、多数の積み残し乗客が出ており、待っている乗客の機嫌も悪く、こんな中、北海道から旅行に来たのが、非常に申し訳なく感じました。
結局、熊本行き高速バスは約１時間半待っての乗車となりました。（乗り込んだ直後に、地下鉄とＪＲ鹿児島線運転再開の放送）高速バスは２時間半かかって熊本に到着。この時点で20時20分。
この日の宿泊は人吉市に予約していたため、熊本駅21時28分発の「くまがわ５号」に乗るため、熊本駅へ向かいます。熊本駅も混雑しており「ダイヤが乱れているので、列車発着は随時放送します」とのアナウンス。乗車券を福岡市内発から熊本発に変えてもらうため、みどりの窓口へ行き、博多発着列車が運休で福岡から熊本まで高速バスで来たことを伝えると、福岡市内発の乗車券は手数料無料で払戻しとなりました。
併せて肥薩線・吉都線・日豊線・関門トンネル経由列車の運転状況を確認すると、「明日以降は平常どおりの見込み」だったので、熊本発で肥薩線・吉都線・日豊線経由新大阪行きの乗車券と熊本から人吉までの特急券を作ってもらいました。しばし駅で待っていると、「くまがわ５号改札します」とのアナウンスが入り、結局５分遅れで発車でした。人吉到着も約５分遅れで、23時過ぎに長い１日目の移動が終わりました。
２日目は、頑張って早起きをして、10:06発の「いさぶろう１号」までの時間、早くからやっている球磨焼酎の蔵元にお邪魔して試飲。本場で飲む味は格別です。ややほろ酔いで「いさぶろう１号」に乗車。２両編成でしたが、まずまずの乗車率で人吉駅を発車。天気に恵まれたこともあり大満足な列車の旅でした。
吉松駅から吉都線に乗り換え、１駅目の鶴丸で下車。駅前に温泉があり、200円。質素な内湯とシブい露天風呂。豪華とか快適を求める方にはおすすめできませんが、個人的には気に入りました。ちなみに混浴ではありませんので、女性の方もご安心を。
鶴丸駅から都城経由で宮崎駅へ向かい、家族への土産を仕入れた後、いよいよ彗星号に乗車です。連休最終日なのに、たったの４両編成なのを見て愕然。「さくら」「あさかぜ」の廃止も仕方のないことかもしれません。彗星号のソロについて感じた点です。あくまで主観ですが。
「良い点」
「不満な点」
今回の旅行では、スイッチバック・古い駅舎・車窓に着眼し、ローカル線の肥薩線を見事に観光路線に仕上げたＪＲ九州の発想が素晴らしいと感じたこと、さらに寝台特急は、トワイライトエクスプレス・カシオペア・北斗星等を除けば、好きな人の乗り物になってしまったのかなと思わされました。そんなことを考えているうちに「ソロ」のベッドで眠りにつき、三ノ宮到着30分前のアナウンスまで熟睡した彗星号の旅でした。
長くなってすみません。最後までありがとうございました。