１乗車までの経緯
今年の夏は久しぶりに北海道へ、ということで、どうやって行くかを思案。夜行列車利用で効率がいいのは「北斗星」だが、観光シーズンなので簡単には取れないだろうと思い、当初は「エルム」を取っていた。しかし臨時の81号に関しては若干の空席があったため、予定が確定した10日ほど前にＢ寝台下段を押さえることができた。やはり臨時列車は狙い目で「これで明るいうちに北見（ちほく鉄道経由）へ入れる」と喜んだのだが、一つクリアしなければならない問題があった。
２乗車当日（乗車まで）
「北斗星81号」の乗車日は８月５日、実はこの日と前日は高槻で研修があり、終了は16時である。普通関西地区から北海道に行く寝台特急といえば「日本海」（「トワイライト」は昼出発なので基本的には使えない）で、最初はこれを考えていたのだが、函館到着が遅いうえ、「北斗」との乗り継ぎも悪く非効率だった。そこでまず東京まで戻り、そこから夜行に乗ることにしたが、当の81号の上野発車は17:18、到底高槻16時では間に合わない。ならば「新幹線で追いかけるしかない」とダイヤを繰ると、途中仙台のみで接続できることが判明。ただし乗り継ぎに余裕をもつためには東京を19:08に出る「やまびこ67号」しかなく、これに乗るためには京都を16時台に出るという、何とも綱渡りの乗り継ぎとなった。しかも荷物も多く、本当にできるのか、と自問自答しつつ、研修終了時刻の16時を迎えた。
高槻の会場から駅までは通常は15分、ここを疾走し７分ほどで到着した。おかげで新快速に余裕をもって乗れ、京都からは予定より１本早い「のぞみ140号」に乗車できた。自由席もすいており、「これで間に合う」と安心したのだが、何と新横浜通過直後に徐行運転！どうやら先行列車に急病人がいて、降車に時間がかかって多少遅れるとのアナウンス！！乗り継ぎ時間の少ない「あさま」については「申し出てください」との放送もあり、15分の接続時間が怪しくなってきた。早めの列車で動いていて助かったとはこのことである。結局東京には５分遅れで着き、つづいて「やまびこ67号」の車中となったが、こちらは指定席でゆったり、定刻21:18に仙台に着いた。時間が少しあるので、駅前の大型カメラ店で買い物をしたが、蒸し暑い。それに仙台七夕の前夜祭とやらで人通りが多く、熱気であふれる仙台駅である。今日は臨時列車も多く運転され、中でも「ムーンライト仙台」の583系には人だかりがしていた。一方の１番線は数人が待っている程度…。
３乗車記
ＥＦ8178に牽かれた「北斗星81号」は、定刻21:43に仙台を発車。車内はことのほか静かで、だいたい埋まっているようであったが、すでに休んでる人も多いのだろう。さっそく食堂車に向かうが、隣のロビーカーにはどうやら順番待ちの人たちが大勢いる。パブタイムはこれから始まるということで、とりあえず順番を確保し、いったん区画に戻った。30分ほどしてロビーカーに戻ると、ほどなく席に着くことができ、定番？のハンバーグ定食を注文。それにしても「食堂車で食事する」ことは今やものすごい贅沢なことだな、と感じた。ブルトレに食堂車があるのとないのとでは、その列車の格に天と地との差がつくと思ってしまうのは、私だけだろうか？今日は家族連れも多く、子どもたちにとってもよき思い出になったに違いない。
さて満足して区画に戻ると列車の速度が落ちて、北上に停車した。確か通過扱いなのになぜ？と思って車掌に聞くと、どうも宇都宮から乗る予定だった団体客のうち１名が乗り遅れ、新幹線で追いかけて乗る、とのこと。うーん、そんな特例があるのか、と思ったが当該の乗客の姿は確認できなかった。すでに放送も終了し、ほとんどの区画も寝ているようなので、こちらも早めに寝ることとする。夕方からの激闘？の疲れもあってか、早々と寝てしまったようだ。ただ青森到着と、青函トンネル通過時は目が覚めてしまった。その後函館駅のアナウンスも聞いたような気がしたが、実際に起きたのは八雲を過ぎたころである。
この夏は今ひとつ冴えない天気が多い北海道であったが、この日は晴れ渡り海岸線が美しい。長万部発車後にロビーカーに向かい、食堂順番待ちを兼ねて車窓を見ていた。長万部から豊浦にかけては、これらブルトレ撮影でよく行っていたが、今日もあちこちで撮影者の姿が…。洞爺あたりで席があき、朝食となったが、実は朝食でグランシャリオを使うのは６回の乗車ではじめてであった。和定食は当然売り切れなので、必然的に洋定食になったが、味もなかなかのものである。やはり車窓を見ながらの食事は格別で、次回もぜひ利用しようと思った。食事をすませると、下車する南千歳まで１時間を切った。早いものである。身支度を整え、このあとのスケジュールを組み立てていると、定刻9:10に到着。からりとした暑さに久しぶりの北海道の空気を感じた。（終）