12月2日、札幌で仕事を終えた私は行きの飛行機と違って帰りはこの北斗星を選択しました。
遡ること約３週間前、寝台券を買いに緑の窓口へ向かったところ、なんと個室はおろかB寝台まで満席という予想だにしない結果となりかした。仕方なく青森まで急行はまなすの寝台券を購入して、その日はすませました。
そして乗車2週間前に再び駅で問い合わせてみると、個室こそ空いてませんでしたがB寝台はかなりの空きがありました。やはり2週間前には、旅行会社などの大量のキャンセルが出るようです。
当日になっていよいよ乗車しましたが、ロビーカーは私ともう一人の背広姿、そしてツアー団体客と思われる若い女性たちでたちまちいっぱいとなりました。狭いB寝台ではなにもできないため、函館到着までのんびりくつろぎ、その後函館で眠りにつくことに。函館では向かいの下段とその上段にそれぞれ別々の女性が乗り込みます。狭い開放型寝台で女性が利用するのは大変だろうなぁと思ってしまいます。
たぶん盛岡駅を出発したんでしょうか。その衝撃で目が覚めた私は、その後寝付けなくなってしまったために身支度をしてロビーカーへ向かいました。
ロビーカーは無人で、私はただボーっと外を眺めています。「雪はさっきまで降ってたけどやんだみたいですよ」。通りかかった車掌さんが話しかけてきました。「一関でお降りですか？」「いえ、仙台です」「今日は6〜7人も仙台で降りるんですよ。盛岡や一関でも今日は降りる人が多いんですよね〜」と言いながら、手元にあった寝台ごとの下車駅を記入した紙を見せてくれました。
「普段この時期は40〜50人ぐらいしか乗っていないんですけど、今日はどういう訳か200人も乗っていて満員です」と語りかけてくれた車掌さんは、北海道から盛岡の利用者が案外多いということや、この北斗星4号と八戸発のはやて始発便がほぼ同時に上野に着く事など教えてくれました。
新幹線が函館まで伸びますね？との私の問いかけには、「そうなると北斗星は廃止でカシオペアぐらいしか残らないでしょう。青函トンネルを倍以上速度が違う列車が走るなんて、危険ですからね」と寂しそうに話されたのが印象的でした。
仙台駅のホームに降り立った際、前方でホーム上から私に両手を振って挨拶して下さいました。これからも急がない出張には利用しようと思った瞬間でした。