札幌から東京への帰りに、北斗星４号を利用しました。
いつもなら飛行機で帰るところなのですが、寝台特急に乗ってみたいと以前から思っていたので、チャレンジすることにしました。切符の購入は、乗車する２週間ぐらい前に、旅行会社へ行って、手配してもらいました。既にＢ寝台の上段しか空いていなくて、個室などの選択の余地はありませんでした。私は１人で乗るので、４人で１空間使用するＢ寝台で、３人グループと一緒になったら気まずいかなあ、とかいろいろ不安でしたが、何事も経験だと思って、切符を購入しました。
乗車当日、午後７時過ぎに札幌駅の北斗星４号が停車しているホームへ行き、自分の車両に乗り込みました。私のベッドの下段では、既におじさんが１人いて、シーツを整えていました。「こんにちは。よろしくお願いします。」と声をかけると、おじさんも「よろしくお願いします。」と言ってくれました。いい感じの人が下の段でよかった、と安心しました。
おじさんの横をすりぬけて、はしごを使って上段へ上がりました。ベッドは、思ったよりも広くて、体も十分のばせるし、カーテンもあるので、他人の目を気にせずくつろげる感じでした。向かいの下段に年輩の男性が来られました。「こんにちは。よろしくお願いします。」と言ったら、おじいさんも「こんにちは。」と言ってくれて、またちょっと安心しました。
発車まで時間がちょっとあったので、ホームに出て、売店で弁当とビールを買いました。弁当とビールを持って、自分のベッドへ戻ったのですが、ベッドで食べるのは落ち着かないなあ、と思ったので、隣の車両のラウンジに行ってみることにしました。ラウンジへ向かう直前に、私のベッドの向かいの人が来ました。小さな男の子を連れたお母さんでした。ラウンジには、既に２人いました。私も席について、弁当を食べました。食べはじめてからしばらくして、発車しました。ただ発車しただけなのですが、何か感動的でした。ラウンジには結構人が集まってきており、団体客の人達は、宴会を始めました。
食事を終え、自分のベッドへ戻ると、私の下の段のおじさんと私の向かいのお母さんが話をされており、おじいさんは既にベッドのカーテンを閉めており、寝ておられるようでした。せっかく、この長旅の列車で一緒になった人達なので、話かけてみようと思って、おじさんとお母さんに「ラウンジで一緒に飲みませんか？」と誘ってみました。おじさんは「いいですねえ」と言われ、お母さんは「まだ、子供とここにいます」と言われました。おじさんとラウンジへ向かい、空いているソファーに座りました。ソファーは、３〜４人がけのもので、前にはテーブルがありました。お酒（缶ビール、缶チューハイ）は、ラウンジの隣の食堂車で買いました。おじさんが、スルメなどのおつまみを持ってこられていました。２人で乾杯をして、私は、おつまみを食べつつ、ビールを飲みました。おじさんは、晩ご飯がまだだったので、お弁当を食べられました。しばらくして、お母さんと男の子が、来ました。私達が飲んでいる同じソファーで、お母さんと男の子も、晩ご飯の弁当を食べ始めました。そして、３人でお酒を飲みながら、話をしました。
最近の事件のことや、子育てのこと、自分の出身地のこと、何かいろいろ話しましたが、ほとんど忘れてしまいました。男の子とも一緒に遊びました。お母さんに「子供と遊んでいる姿が様になっている」と言われました。おじさんも子供と一緒に遊んでいました。隣のソファーに座っていた人にカメラマンになってもらい、４人で記念写真を撮りました。いい旅のおみやげができたなー、と嬉しかったです。お酒を飲んだり、話をしたり、男の子と遊んだりしているうちに、午後１１時も過ぎ、男の子が寝てしまいました。しばらく、３人で話をしていましたが、「そろそろ寝ます」とお母さんが、男の子をだっこして、ベッドのほうへ戻りました。満員だったラウンジも、人がまばらになっていました。
車掌さんが、ラウンジに来ました。「あとどれくらいで、青函トンネルに入るんですか？」と尋ねたところ「もうすぐです」と言って、青函トンネルに入る時間、最深部に到達する時間、出る時間などをメモに書いて渡してくれました。真夜中で外は暗くて、はっきりとは分かりませんでしたが、青函トンネルに入りました。トンネルの中を走行中、窓には水滴がついたりしたので、トンネルの強度は大丈夫かな？と不安に思いました。車掌さんがメモしてくれた最深部に到達する時間あたりのところで、緑のライトがチカチカしている所を過ぎました。ラウンジに残ってくれていた車掌さんが「ここが最深部です」と説明してくれました。海の底を通っているトンネルの一番深い所にいるんだなあ、と思うと少し恐い気分になりました。午前１時過ぎ頃に、地上へ出てきました。その後、歯磨きをして、ベッドに入りました。
２段ベッドの上ということもあるのか、結構揺れを感じました。また、ガタンゴトンという電車の音も気になり、あまり熟睡はできませんでした。それでもちょっとは寝られて、目が覚めたら午前４時過ぎ頃でした。既に外は、明るくなっていました。しばらくして、駅に着いたので、窓から駅名を確認したら「盛岡」でした。その後、寝ころんでまどろんでいたのですが、寝付けず、６時過ぎ頃に起きることにしました。既に下の段のおじさんとおじいさんは、起きておられました。
下におりて、おじさんとおじいさんと話をしましたが、周りが静かだったので、「ラウンジで話しませんか」と言って、おじさんと一緒にラウンジへ行きました。おじいさんは、ベッドに残ると言われました。ラウンジに行ったら、何人か人がいました。７時になって、食堂車の営業が始まったので、食堂車で弁当とお茶を買い、おじさんと一緒にラウンジで食べました。しばらくして、お母さんと男の子もラウンジに来て、また男の子と一緒に遊びました。おじさんは、郡山で下車するとのことだったので、荷造りをしにベッドのほうへ戻りました。郡山へ着くちょっと前に、ベッドのほうへ戻り、おじさんに「楽しい旅になりました。ありがとうございました。」とお礼を言うと、「こちらこそ、ありがとうございました。」と言ってくれました。ドアの所まで見送り、おじさんとは別れました。
その後、ベッドのほうへ戻り、男の子と遊んだり、お母さん、おじいさんと話をしたりしました。男の子がベッドのはしごを上ったり下りたりしているのを見て、落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、お母さんによると「子供の動きが分かってくると、危ないか危なくないか分かるんですよ。今は、大丈夫です」とのことでした。そうこうしているうちに、上野駅に着きました。時刻は、午前１１時３０分頃でした。そして、上野駅で、お母さんと男の子と別れました。楽しい旅でした。また、寝台特急に乗って、いい出会いをしたいなあと思います。
最後になりましたが、本ホームページで、いろいろと情報収集をさせていただき、大変助かりました。ありがとうございました。今後も、この有意義なホームページを続けてくださるようお願いいたします。