九州に行った帰りに一度は乗ってみようと「なは・あかつき」を利用しました。（4/16）長崎・佐賀を周遊キップで移動していたので「あかつき」のソロに乗るのが妥当なのですがどうしても「なは」に乗りたくて鳥栖から京都までのキップを買いました。翌朝の気分で京都と大阪、どっちで途中下車するかは流動的でした。行きの「はやぶさ・富士」でトラブルに見舞われた私でしたが、まさか帰りの「あかつき・なは」でもトラブルに巻き込まれるとは思ってもいませんでした。
乗車前、私は武雄温泉にいました。この列車はA寝台の人しかシャワーを浴びれないからです。武雄温泉駅を21:00に出る「みどり30号」に乗ると時間バッチリです。鳥栖までは周遊ゾーンで自由席乗り放題。なのですが・・・。せっかくの「あかつき」レガートに乗るチャンスです。指定席\1100のキップは高いけど購入（レガートシート体験料？）。肥前山口から鳥栖まで50km弱、わずか30分の乗車でも私には楽しい思い出となりました。
-あかつきレガート-
その日二度目の人身事故のせいで「あかつき」は7分遅れで肥前山口に到着しました。レガートは異色の車両。他の青い車両とはぜんぜん違う雰囲気。目の前で初めて見れて感激でした。けっこうカッコいいと思います。車内は一般席に3人、女性席に2人乗っていました。既にフルリクライニングでくつろいでいます。
グリーン車と変わらない広いスペース。私は7番C。上り列車で窓割りがいいのは7番・9番・11番。まあ減光されてない車内からは暗い外の景色はよく見えませんけど。リクライニングは電動。倒れる量はかなりすごい。ちょうど床屋さんで顔剃りをしてもらう時くらいだ。これはすごくいい、気持ちいい、レッグレストも付いている。ここで京都まででもＯＫだ。車内も静かで揺れもイスのせいか気にならなかった。ガラガラだったけどもっとみんな利用すべきだと思う。
しばらくして車掌がきましたが「鳥栖でいいんですか」と驚いてました。「なは」に移る事を伝えましたが鳥栖到着時にすぐ降りるか、「なは」と連結してから降りるのか聞かれましたが当然後者です。どちらもドアを開けてくれます。
-なは-
レガート車から「なは」のソロに移動しました。車内を見てまわりましたがちゃんと手が入れられています。少なくともソロとデュエットは現在の客車ブルートレイン中でB寝台では最高の出来です。B寝台比較では北斗星より上です。
私の部屋は22番の２階部屋。進行方向に座れる右側です。一面ベットの室内は屋根は低いが幅は広い。何より室内の質感が高い。窓は「あけぼの」のソロと同じくらい。（あかつきソロはサンライズと同じくらいで大きい）オーディオは付いてませんがコンセントが付いてるのが嬉しいですね。これでＤＶＤプレーヤーを使いました。
列車は鳥栖を遅れて発車しましたが遅延の原因である鹿児島本線に入れば更に遅れる事は予想できました。案の定博多到着時は35分遅れに拡大してしまいました。私にとって遅れは嬉しい誤算。関西到着が早朝の列車なので少しゆっくりできる時間増えますから。
博多出発後ソロの車内があまりに静かなため気持ちよくなり寝てしまいました。（行きの「富士」がうるさすぎ）機関車交換や運転停車もまったく気づかず爆睡。夜中に一度目が開いた時、屋根の低さに圧迫感を感じたため窓のブラインドを開けました。そしてふたたび爆睡。日の出とともに目が覚めそこは岡山駅でした。（実によく寝た）
岡山駅でも35分の遅れのままでした。常に目いっぱいで走るブルトレが回復運転できるワケもないんですが、あれから何百キロも走っていたのだから数分くらいは縮めてもいいんじゃないのかなーと思いました。まあ35分間余分に乗れて得したなという気持ちでいましたけど。ところが・・・。
予想外の事が起こりました。列車は遅れているため本来停車駅ではない相生駅に臨時停車すると放送が入りました。新幹線に乗り換えてくれとの事。更にこの駅に一時間停車するというのです。思わず「えー」でした。乗客のほとんどが降りて行きました。年配者多いなー。やっぱり京都行くだろうなと思いながら見つめました。（残ったのは５〜６人か）
それにしても35分遅れたらもう関西圏の通勤ラッシュに割り込めないんですね。長距離列車の弱みですね。この先の姫路からは新快速の天下だし回復運転しなかったのもこのシナリオが昨夜のうちに計画されていたからと思いました。列車は三ノ宮までは行くけど大阪以降は未定とアナウスを繰り返してました。
私はというと夜までフリーなので余裕でした。しかも一時間停車。「なは・あかつき」を写真にとる絶好のチャンスです。いつもなら数人いる鉄の人も誰もいません。ホームでひとり写真を撮ってました。この駅は空きホームがある上に新幹線も止まるので臨時の振り替え停車にはもってこいのようです。
早朝到着で写真に収めにくい列車だけに私はとても喜びました。（その後ドアは閉められました）ここぞとばかり車内を検索。時間もあるし乗客はほとんど降りてもういない、好き放題でした。
その後個室に戻りＤＶＤを見てくつろぎました。コンセントがある事が大きかったです。苦になりません。一時間後に出発した列車でしたが今度は大久保という駅でも30分停車しました。駅を通過するたびにホームの人からは普段いるハズのない列車に視線が集まりました。なんともおもしろい気分でしたね。
レガートに行ってみたら昨夜からの乗客がいました。こんな状況なので私が座席に座っても何も言われないだろうと思いましたが、ロービー室のソファーに靴を脱いで足を投げ出しているのも快適で、窓も大きく自動販売機もあるのでそこでくつろいだりもしました。
結局「なは・あかつき」は2時間30分遅れとなり新大阪止まりとなりました。私は大阪で降りました。時刻は10時近い。でも楽しかったです。車掌さんには何度も謝られましたが2時間30分も余分に乗れて得した気分でしたよ。たぶん列車が遅れて喜んだのは私１人、おまけに特急料金払い戻しで大阪で遊ぶお小遣いもいただきました。
冷静に「なは・あかつき」分析しましょう。乗車率はやっぱり低いです。廃止される可能性はあるでしょうが東京発のブルトレよりレベルは高いです。バリエーションも豊富で質感も高いです。利用価値はあると思います。
あと「なは」のソロとデュエットは「あかつき」と交換したほうが使える気がしました。いっその事まるごと「はやぶさ・富士」と交換してくれるともっといいんですけど。
長文失礼しました。