今年の正月のことです。正月後の三連休を生かして青森に旅行に行くことになり、その往路を念願の「あけぼの号シングルデラックスを利用しました。社内販売が秋田までなく、自販機の設備もないので、上野駅前の「ザ・ガーデン」で夕食用の笹寿司を購入、寝酒用のビールと缶焼酎を「ＮＥＷＤＡＹＳ」で購入して、２１時２０分に１３番線に入線した列車に乗り込みました。正月明けということもあって、列車はごろんとシート、各寝台ともほぼ満室状態。家族連れが多くて賑やかな感じでした。
シングルデラックスはモニター、洗面付で広さは問題なかったですが、車体はやや草臥れた感があります。また、ベットを上げて使ったときのソファーの座高が低すぎて使いにくかったこと、ＴＶモニターが翌日からの放送で夜間には楽しめなかった事が難点でした。
さて、列車は定刻通りに上野駅を出発。早速、車窓の夜景を肴に至極の寝酒の開始です。上越線は子供のころ「Ｌ特急とき」で帰省した想い出の路線で、新清水トンネル付近までは頑張って起きていようと、酒のペースの緩めながら車窓を楽しみました。車窓といっても夜だから当然、外は暗いのですが、なんとなく勝手を知った路線なので、親しみもあり、それなりに楽しめました。水上駅に到着は０時１０分頃。例年ならこの季節は雪に覆われていますが、暖冬の為か雪が全く積もってません。０時２０分過ぎ新清水トンネルに突入、夜中でも蛍光灯が付いていた土合駅を通過し、１０分後トンネルを出ると流石暖冬といってもそこは一面雪景色でした。
ほどよく睡魔に見舞われて、暖房のお陰でやや頭痛気味で目を覚ますと既に秋田駅の近くまで来てしまってました。秋田には定刻通り到着。ここで、乗客のうち半分程度が下車。残った乗客の多くは新聞や朝食を求めてホームに出てましたが、私は大館駅で朝食を手配（弁当の出前）しているので、ここは我慢。
８時３５分定刻通りに大館駅に到着。７号車のデッキの前には注文しておいた花善の「鶏めし」（８５０円）を一つ持って若い女性の売り子が待ってました。「○○さんですね」丁寧に名前を呼んでくれて、ちょっと感激。待望の鶏めしをゲットしました。鶏めしは温かみのある優しい味つけで、大変美味でした。出来立て、列車までのデリバリーの感激もあって、今までで最も思い出深いといえる駅弁でした。
そうこうしているうちに終着の青森駅に定刻通り９時５５分に到着。楽しい１２時間の乗車時間はあっという間でした。
全体的な感想として、車体は年季が入ってきてやや草臥れた印象があるものの、古き良き寝台列車の旅を比較的気軽に味わえる貴重な列車であると感じました。乗車率もわりと高いようで、今後も末永く頑張ってほしいものです。