皆様の詳細な投稿、いつも楽しく拝見しています。
数年ぶりにブルトレに乗る機会があったので、利用者が一人でも増えることを祈りつつ、私も書き込みさせて頂ければと思います。
仕事で上京するため、往復の手段を考えました。午前０時過ぎまで業務があるため、行きは必然的に高速バスにならざるを得ません。しかも、午前１時前後に出発する便となると、バス会社が運行しているものではなく、いわゆる「ツアーバス」のみ。さらに、東京からの帰りも、21:00過ぎまで仕事になりそうな気配。行きの道中でへとへとになり、仕事でぼろぼろになるとすると、帰りにまたバスでは身が持ちません。
「ブルトレでも使ってみるか」となりました。それでも、根がケチなので、きっぷを買おうかどうしようかぐずぐずしていたのですが、腹を決めて２日前にみどりの窓口へ行くと、あっさり買えてしまいました。かつて、発券開始が一週間前だった頃、夜行列車の指定券を入手するのはなかなか難儀でした。鉄道がまだ、移動手段の王者だった時代。駅のコンコースのコンクリートにごろ寝して、きっぷを買っていた日々を思うと、隔世の感があります。
さて、乗車日は、2007年５月22日。
案の定、前夜の夜行バスは、足もろくに入れられない人民バス。しかも臨席のお兄さんが、寝ぼけてしょっちゅう私に抱きついてきます。ほとんど眠れませんでした。そう言うときに限って、仕事も朝から夜まで。24時間戦えますか状態の量をこなし、缶ビール一本片手に東京駅に滑り込み。
駅の時計を見やると、もう発車時刻の23:00間近。内田百{閧ネら、自分が乗る列車を先頭から最後尾まで、発車前にひとわたり眺めやらないと気が済まないといったところでしょう。私も普段ならやりますが、きょうはあいにく時間も気力もありません。
指定された２号車に入り、腰と荷物を落ち着けると、もう発車のベルが鳴りました。ぴよぉ〜という、機関車の汽笛一声、ほとんど揺れもなし。駅のホームがするすると後へ遠ざかっていきます。
ほどなく、車掌さんがやってきて検札。言葉のなまりが一足早く、関西に帰った気にさせてくれます。
シーツを敷いて、足を伸ばしてみます。久々寝てみた寝台は、意外に小さく感じられます。身長170センチと、そう大きくない私ですが、なぜか片腕の幅半分、寝床の外へはみ出ています。全身でのびをしようとすると、足側の仕切り板につま先が当たります。
時刻表のピンクのページを見ると、２段式Ｂ寝台のサイズは以下のようになっています。
幅70センチ
長さ195センチ
ホントかな〜と、ちょっと疑わしくなりました。
日本人の体格、確実によくなってきています。普通の電車の、７人がけを想定して作られているロングシート。これに、実際座ってみると、女性が入らない限り７人はきつきつという現実。設計当時の想定から、ずれが生じているのかも知れないと思いました。でも、長年使われている割には、ベットの寝心地も、堅さもグッド。空調も、音も温度も悪くありません。
私の乗っていた２号車は、東京発車時点で乗車率ほぼ６割といったところ。下段は１つを除いて全部埋まり、上段にもお一人。
汽車は快調に飛ばします。
私の前の下段が、その空いていたひとつだったのですが、そこも大船から女性が乗ってこられて、埋まりました。
本来なら、ほかの号車の乗車率も見に行くところですが、なにせへたばっています。ビールのアルコールも回ってきました。いつの間にか意識がなくなって、気がつけば京都駅。大津の前であったはずのおはよう放送にも目覚めることなく、ぐっすり。京都で、車中の８割の方が降りて行かれました。
私の号車に３人ばかりの乗客を残し、軽くなった銀河は、複々線を飛ばします。
洗面とトイレに行くと、揺れが激しいのに驚きました。特に連結部。何かに捕まらないと立っていられません。洗面台にお湯を入れると、波が洗面台を超え、しぶきがズボンを濡らします。
京阪神の複々線の保線は、名にしおう堅牢さのはず。となると、やはりこれは車両の老朽化に伴うものでしょうか。
寝台では感じなかった銀河の齢を、実感させられました。
新大阪を目の前に、隣には、混雑を始めた快速が併走。寝台でボヘラ〜としている私たちに、車内から視線がちくちく刺さります。毎朝のことなのか、みんな知らんぷり。
ハハア、銀河の乗車体験記に、このコントラストの落差が書かれていたなとふと思い出しました。でも、これって、寝台に乗って都市に着く人間のみが味わえる、ひと味違った、面白い体験といえなくもありません。
朝日がまぶしい大阪駅４番ホーム。銀河は定刻7:18に滑り込みました。
出迎えの人もちらほら。散らかされた寝台の多さが、斜陽といわれる銀河が前夜、少なからぬ客に利用されていた現実を物語っています。
私にも出迎えが。会社からです。なんと、書類カバンを持っています。いやな予感が。
「８時から会議！ブルトレやったら、よ〜眠れたやろ」
悲しいくらいに便利すぎる、この列車。