息子が試合に出場するので、広島から東京迄応援に行くことにした。日曜日の日帰りにしたいのと、出来るだけ安く行きたいということで、色々検討してみた。
帰りは、翌日が仕事のため当日中に家に着きたいので、試合の終了時間により融通のきく、新幹線自由席にすぐ決まったけど、行きが問題！！
夜行バスが1番安いけど、ちょっとしんどそう。飛行機だと朝１番の便でギリギリの時間だからイヤだな。新幹線はもちろん間に合わない…となると、寝台特急しかないということに…。じゃあ、前から乗ってみたかった『サンライズ』にしよう！ただし『サンライズ』は、出雲出発の『出雲号』と高松出発の『瀬戸号』が岡山で合流・接続されるので、広島から岡山までは別便で行く必要がある。普通列車が1番安いけど、新幹線と特急を乗り継ぐと、"特急券＋指定席券"が半額になるので、新幹線に決定！！
女一人で乗るのに、ノビノビシートはちょっと抵抗があったけど、乗車記を読むと女性も結構乗ってるみたいだし、やっぱり安いので、ノビノビシートに決めた。準備としては、切符と、あと、皆様の教えに従い、100円ショップで空気枕を購入。写真では車内の様子を見ていても、実際のところが分からないので、隣が変な男の人だったらどうしようとか色々、ドキドキしながらその日を心待ちにしていた。
ところが、10日位前になって急にダンナも行くことになり、追加で切符と空気枕を購入。隣の席が空いてなかったらバラバラでもしょうがないと思っていたけど、たまたま空いていて、『サンライズ出雲』5号車上段の端、7番のCとD。ラッキーだった。
いよいよ当日、自宅でお風呂と夕食を済ませ、広島駅へ。駅のコンビニでアルコールとおつまみを買い、21：15発の新幹線へ乗車。岡山には21：57着。『サンライズ瀬戸』がホームに入って来るのを見たかったので、ちょっと早い便にした。
ホームで待っていると、いよいよ『瀬戸号』がやって来た。写真でしか見たことのなかった『サンライズ』に逢えて、感激！！先頭で写真を撮りたいと思い、急いでダンナを呼び、急いで先頭車両へ歩いて行くんだけど、すごく遠くて、行く途中でもう『出雲号』が入って来た。連結される所が見たかったので、先頭へ行くのはすぐに諦めて、連結場所へ。既に10人位集まっていて、ビデオで撮影している人もいた。パカッてドアが開いて、ジャバラの通路が繋がった。『出雲号』と『瀬戸号』は行き来が出来るんだね。すごい！！…と、写真を撮り、感動に浸っている場合じゃない！乗らなくちゃ！！
慌てて5号車入口に行くと、まだドアが開いてなかった。でもすぐにドアが開き、乗車。7番は、1番奥だった。ダンナが先に席に行き、「ハシ取〜った！」だって！！ハシがそんなにうれしいのか？5号車は空きを探すくらい、結構人がいっぱいだった。心配していた隣の席は、おばあちゃんだったので安心した。岡山は22：33発。
狭い階段を上がり、通路のカーテンを引き、早速枕の準備。空気を入れ、枕カバーを掛ける。この細い白い布きれ、これだよね。たぶん。皆すぐに気づくのだろうか？もう眠っている人もいるので、アルコールとつまみを持って、ダンナと3号車のミニサロンへ移動。本当にミニで、右と左にイスが4個ずつしかない。若い男性が一人ずつ座っていた。もうすでに遅い時間なので、少しだけ飲んで、席に帰った。外の景色も暗くて見えないしね。横になってみると、カーペットは思ったよりフカフカしていた。しかも暖かくて気持ち良かった。枕もいい感じ。頭の部分に仕切りがあるので、隣の人も気にならない。窓はシャッターになっているので、シャッターを下ろし毛布を掛けて寝ようと思ったら、車掌さんが検札に来た。さっき私達がいなかったからだね。スイマセン。
アルコールが入ってたからか、結構ぐっすり寝られた。朝目が覚めたら5時半すぎで、外を見ると、朝焼けの海が見えた。あんまりきれいだったので、この感動を誰かに伝えたいと思い、起き上がったら、ダンナはまだ眠ってた。隣のおばあちゃんはいなくて、その隣のおじいちゃんと目が合ったので、教えてあげた。熱海の海だった。それからじっと見ていたら、やがて一点が赤くなって来た。「陽が昇りますよ！」と言うと、おじいちゃんは急にソワソワして、「顔を洗って来にゃあいけん」と言って出て行った。ああそうか、私も洗わなくちゃと思い仕度をしていたら、すぐに陽が昇り、全く間に合わなかった。おじいちゃんも、間に合うようには帰って来なかった…。
おじいちゃんは80歳、おばあちゃんは75歳。55歳で定年後、フルムーンで、二人であちこち旅行しているらしい。今回は日本3大心霊ツアーで、昨日石鎚山へ行って来たそうだ。今日はこれから東北新幹線に乗り、青森の恐山に行き、明日は秋田の乳頭温泉に行って、帰るらしい。年をとっても、こんな風に二人が元気で仲良く旅行出来るというのは、本当に幸せだよね。だんだん背の高いビルが増えていき、とうとう東京へ着いてしまった。定刻の7：08。名残惜しかったけど、『サンライズ』とお別れする時がやって来た。おじいちゃん達とも…。
又逢いたいな。『サンライズ』にも、旅する人達にも…。