月曜日が休み、火曜日も午前中は休暇がもらえることになりました。そこで、残りわずかなチャンスを生かそうと考えました。新山口駅のみどりの窓口で、空席の相談をしました。土曜日の夜に出て、火曜日の朝に帰る時間の設定で、銀河、なは、あかつきに乗ろうと考えました。
実際には、土曜日の夜の銀河は空いていない、なは・あかつきもダメでした。休みが決まったのは水曜日でしたから、遅すぎたのです。とにかく銀河だけでもおさえようと、日曜日の夜の空席をひとつ取りました。
いろいろと組み合わせてみましたが、なはと重ねることができませんでした。あかつきには乗りましたが、なはには乗っていなかったので、くやしかったです。結局、土曜日の新幹線で新大阪へ出て、乗らずにビデオ撮影をすることに決めました。そして、目的地を鎌倉に設定しました。そのため、下車駅は大船駅と決まりました。
帰りは横浜から、富士に乗ることになりました。はやぶさ・富士はまだ廃止ではないので、空席がたくさんありました。
土曜日、仕事を済ませて、新幹線へ。新大阪で降りて、まずは日本海を待ちました。ホームで日本海の雄姿を撮影し、その後は全力で階段を昇りました。次は、なは・あかつきです。デュエットの車両とレガートシートは撮っておきたいと考えました。軽く、２０人くらいは私と同じような行動をしていたように思います。
そして、またホームを戻って、銀河を待ちました。翌日は乗るので、この日のうちにしっかり撮影しておこうと思いました。廃止間近の銀河は美しかったです。きたぐにを撮り終え、新大阪駅を出て、ホテルを探しました。直前すぎて、予約をいろいろと考える暇がありませんでした。なんとか一夜の宿を確保し、翌日に備えました。
日曜日は朝から大阪を地下鉄で回りました。鉄道科学博物館ではゆっくりと過ごすことができました。そして夜、やっとその瞬間がやってきました。
銀河がホームに入ってきます。前日に先頭車両を撮影済みだったので、１号車の乗り口付近をキープしました。入線を撮影し、扉が開くと、ビデオを回したまま乗り込みました。まずはＡ寝台を撮影しました。ロビーから、ベッドまで、くまなくビデオに収めました。
私の座席は３号車だったので、そのままビデオを回して移動しました。２号車も、３号車も、通路の椅子に人が座って黄昏れていました。不意に涙がこみ上げてきました。とても悲しい景色でした。
自分のベッドで荷物を整理し、検札を済ませると、まず寝ることにしました。混雑している通路を動くより、みなさんが寝静まってから活動するつもりでした。目を覚ましたのは４時でした。物音を立てないようにベッドを降りました。ビデオを回しながら前へ前へと移動し、牽引車まで行きました。
満席だと聞いていましたが、実際にはいくつか空席がありました。予約したが、乗らなかったという方がいたのかもしれません。車掌さんと少し話をして、乗務員室も撮影させて頂きました。
後ろへ戻り、完全に荷物をまとめ、降りる準備をしました。そして、Ａ寝台のロビーに座り、窓の外をずっと撮影しました。外が次第に明るくなっていきます。
他の乗客のみなさんも少しずつ起き出してきました。譲り合いながらロビーでの撮影をしました。私も自分のビデオを渡して、撮してもらうことができました。小田原でホームを撮していると、行き先の電光表示に廃止の案内が光りました。迷わずビデオをズームして、撮影しました。
大船で降りるときも、右手にはビデオを構えたままでした。迷わず最後尾へ走り、「銀河」のマークを何度も何度も撮影しました。やがて、ベルが鳴り、銀河が動き出しました。ビデオのズームの限界まで、銀河のテールを追いました。銀河が点となり、やがて消えていきました。素敵な思い出をありがとうございました。