四国に入るのに初めてサンライズを利用しました。これまでは飛行機か新幹線＋マリンライナーでした。旅行代理店で切符を買う際、申込書の"Ｂ個室""上"にそれぞれ○をつけましたが、「上段ですか、それとも２階建てもありますけど。」と聞かれました。「ああ、これはソロとシングルどちらにするか聞いているんだな。」と思いましたが、このサイトや雑誌などでシングルのほうが広いことは知っていたので、迷わずシングルを買いました。
東京駅で早速乗り込むと、すでに閉まっている個室も多く、需要の高さが感じられました。個室は２階の山側で、高さがあるため、立ち上がっても頭がつかえることはありませんでした。大きな荷物を持っていましたが、ドアとベッドの間にすっぽり収まりました。ベッドも長さがあり、横になってもまだ余裕がありました。外を見ると隣に東海道線が止まっており、中にいた帰宅中のサラリーマンと目が合いました。このときばかりは、なんとも言えない優越感を感じます。
そんなことをしているうちに、衝撃もなく静かに発車しました。たった一人で出発の感動を味わうのは些か寂しいような気がしましたが、ほとんどが個室のこの列車の乗客は、みんな同じような想いなのではないでしょうか。
さて、発車後に気になるのは、車掌がいつ検札に来るのかということです。検札が済むまでは着替えもしにくいし、洗面所にも行きにくいです。この列車はほとんどが個室なので検札にも時間がかかるかなと思いましたが、なんとか横浜より手前で検札が済みました。
それにしても、この車両はスーッと滑るように走行するので揺れが少なく、乗り心地は最高です。これはよく眠れそうな…そして、夜行列車といえば、やはり流れゆく夜景を見るのが楽しみのひとつでしょう。東海道線の景色はどうも新幹線で見る景色とあまり違いが無く、それほど魅力的とはいえないと思いますが、それでも個室の照明を消して真っ暗にすると沿線の夜の風景がはっきり見えて釘付けになります。日が変わって静岡を過ぎるとさすがに眠くなったため、大きな窓のブラインドを下ろし、寝ることにしました。ちなみに、シャワーも体験したかったのですが、出発前に風呂に入ってしまったのでお預けです。
アラームの音で目が覚めると、岡山を出たところでした。途中一度も目が覚めなかったということは、揺れが少ない証拠です。そして瀬戸大橋を渡りますが、なぜかあまり感動が来ない…。橋の鉄骨ばかりが目に映るからでしょうか。
そんなことを思いながらボーっとしていると、列車はもう高松に近づいていました。それまで降車の準備を全くしておらず、大慌てで寝巻きから服に着替え、洗面を済まし、荷物を引っ張って降りようとしましたが、スリッパのまま出てしまったことに気付き、急いで戻って靴に履き替えました。
最後は慌しかったですが、高松に到着したサンライズ号は朝日に照らされて輝いており、ホッとさせられました。