9月15日深夜12時50分、各方面への最終列車は出発済み、構内放送も終了していました。ホームのベンチに腰掛け「はやぶさ・富士」を待つ私、大阪駅のホームは静まり返っていましたが、鈴虫の音だけが各ホーム下？から響きます。それもかなりの大合唱！秋の訪れを感じたことはもちろんですが、こんなところで秋を実感するとは・・・ビックリでした。
1：05ごろ構内放送が入ります。これがこの日最後でしょう。「まもなく寝台特急はやぶさ・富士熊本・大分ゆきが4番線に入ります」私ともう一人の乗客のためのアナウンスになりました。定刻どおり暗闇の中から灯りが近づいてきます。エンジン音がだんだん大きく聞こえるようになり、プラットホームに入るころには轟音になりました。ゴーッとうなるエンジン音に鈴虫の音色はかき消されます。
「威風堂々」これしかないでしょう。けん引する機関車EF66のボリューム感、いまどき珍しくなった12両もの長大編成。そしてブルーの車体。私の旅心がうずきます。
そもそも今回の旅行ですが、久しぶりに3連休が取れることになり、ブルートレインにまたまた乗りたくなりました。大阪から「富士」で大分、別府、阿蘇を観光後、熊本から「はやぶさ」で名古屋、関西本線（四日市、奈良経由）で大阪に戻るというかなりモノズキ？鉄分高い？計画です。私が幼かった頃、ブルトレブームでした。当時、乗る機会もなく、ただ大阪駅で「明星」「彗星」を見かけてはあこがれていたものです。今年初春、たまたま見た「あかつき・銀河廃止」のニュース。それがきっかけで「あかつき」で長崎へ往復し、かなり良かったのでゴールデンウィークには「日本海」にて青森、北海道、7月には「きたぐに」にて長岡経由上越新幹線、東京にて出張を済ませ、新幹線にて大阪へ帰るといったハマリようでした。いわゆる「ブルトレ大人買い！の状況です」
そんな私ですから東京発九州行きブルトレはまさに「KINGOFKINGS」それがもう「はやぶさ・富士」しかないとは・・・・・「さくら」は？「あさかぜ」は？まさに隔世の感です。
ところで、今回初めて利用したソロですが、なかなか良かったです。こじんまりコンパクトですがなぜかほっとできる空間でした。２階ですが揺れもさほど気にならず快適でした。乗車前から姫路ぐらいまで起きていようと思っていましたので、持ち込んだハーフボトルのワインを飲みながら六甲山系の夜景を楽しみました。昼間の仕事の疲れと、ワインを飲むペースが速かったらしく眠くなってきました。上り「はやぶさ・富士」とすれ違うのを丁度深夜２時ごろ見届けると、姫路にいたらず寝てしまいました。
翌朝、おはよう放送。「ハイケンスのセレナーデ」が私のソロ室内にも響きます。このメロディ大好きです。いかにも「寝台車に乗ってる」気分にしてくれます。下関では皆さんがしているように「機関車付け替え」を見に行こうとしましたが、９号車からプラットホームを歩いて先頭に向かいましたが、２号車付近で無情にもEF６６は行ってしまいました。ー残念！ちょっと始動が遅かったようです。やむを得ずホームの売店で「ふくすし」というのがあったので朝食に購入。味は私にはイマイチでした。酢が効きすぎです。夏場だからそうしているのでしょうか？門司では停車時間が長く十分はやぶさとの切り離し、機関車の付け替えが楽しめました。
この列車、大分到着は１１時を過ぎます。効率よく大分、別府観光するには使いづらい列車なのかもしれません。ただ私のように「富士」に乗ることが目的の人間には到着まで朝の時間をゆっくり満喫できて素晴らしです。車窓を眺め、コーヒーを飲んだり、煙草をくゆらすには最高です。十分まったりした頃、別府、そして別府湾を進行方向左手に眺めるとすぐ大分に着きました。
大分到着後は特急「にちりん」に乗り換えて臼杵を観光し、また別府に戻りホテルで一泊しました。
今回は「周遊きっぷ」を利用しましたのでコスト面でもいくらか安くついたと思います。帰りは「富士」を利用しましたので、その乗車記もまた次の機会に投稿させていただきます。